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飴色トライアングル【完結】
第6章 私の想いは─封印しなきゃ。
「美緒ちゃん…なにかあったの?」
ヒデがじっと私を見てる。
やだ違うったら…
「そう言えば、私も聞いたことないけど…もしかしてお姉ちゃん大失恋したとか?」
「「…ぇ?」」
失礼なんて──違うよ。
「由美、そんな訳ないだろ?美緒ちゃんは男を振る事はあってもフラレる事なんてないよ」
え?それって…
その言葉が私の心に突き刺さった…
ヒデが鋭い眼で私を見てる。
あの時─
ヒデに言われた言葉が頭に浮かんできた!
(美緒に裏切られるとはな─)
今のヒデの眼はあの時と同じだ。
憎しみのある眼を私に向けている。
ヒデ─ごめんなさい!
何を言っても今更で、言い訳になるから
今はヒデの冷たい視線に堪えるしかない。
もう昔の話はやめて。
思い出すと辛くなる!
「由美…食事は?私お腹空いちゃった」
「え、あ~そうだった、ごめん食べよ」
由美の話は逸れたけど─
ずっとヒデの視線を感じる。
私はそれに気がつかない振りして席を立った。
「由美、運ぶの手伝うよ」
「そう?じゃお願い」
◇◇◇
「凄げ~な、これ由美1人で作ったの?」
「そうだよ♪お姉ちゃんに教わったんだけどね」
でも作ったのは由美だから!
美味しく出来てるよ。
「へ~!じゃ次は由美1人で作れるのようにならなきゃな」
「1人で作ったら英昭さん、また食べてくれる?」
「もちろん」
「じゃ頑張る♪ウフフ」
目の前にいる2人を直視しないように俯きながら取る食事はちょっぴり寂しいけど…
これくらいの事で─
ヤキモチ妬いてるわけにはいかないもんね…
「ふぅぅぅ~!」
私は大丈夫!
気にしないよ。