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愛されたいから…
第9章 藤森の作品
南郷さんが俺を庇うようにしていたから藤森先生は突然ニヤニヤとして
『如月先生くらい可愛いと、鬼の南郷さんも随分と入れ込むのねぇ…。』
とか言って来る。南郷さんはサラッと
『そりゃ、そうですよ。こっちが頭を下げてわざわざ作画して頂いている大事な先生ですからね。』
と上手く藤森先生をかわしている。こんな時は俺みたいにアタフタするだけの男じゃなく、藤森先生も南郷さんもやっぱり大人の男なんだと俺は感じてしまう。
だけどすぐに藤森先生がやたらと派手な高級な腕時計を見てから
『あら!?やだ…、もうこんな時間、私店があるからもう行きますね。南郷さん、ごちそうさま。4話と5話分のネームが出来たらまた連絡します。』
とバタバタと焦るように寿司屋の個室から出て行ってしまった。藤森先生が居なくなると俺の隣に座っていた南郷さんは
『藤森先生からは聞いたか?』
と俺に聞いて来る。俺は藤森先生からは南郷さんがベッドでガッツリとかの話ししか聞いてないから
『へ!?』
となってしまう。南郷さんはいつものようにクスクスと笑ってから
『藤森先生の落ち着きの無さは相変わらずだな。ネームの件で如月先生が作画しづらい時は如月先生の意見も取り入れたいって藤森先生が言うから今日の顔合わせをセッティングしたんだがな。』
と俺に説明してくれる。俺は
『それはよほどじゃない限りは俺の事は気にしないで大丈夫ですよ。あくまでも、これは藤森先生の作品ですから。』
と南郷さんに伝えていた。
そう…、これはあくまでも藤森先生の作品で俺の作品じゃない…。だから俺は出来るだけ余計な口を入れたくはない。コマ割りやセリフの置き変えで作品全体の雰囲気が変わってしまう事はよくある事だ。
俺が初めての連載でグダグダになった時、編集の坂口さんが出来るだけ良い方向へと修正しようとしてくれた。だけど結局は俺の作品じゃない違和感を抱えながら俺はその作品の連載を降りる事に決めた。
別に俺は坂口さんが悪いとか思ってはいない。結果としてそれだけ俺が未熟者だったってだけの話しだ。そしてその時は、珍しく無口な親父から
『自分を未熟だと思うのなら、経験を積み重ねろ。』
と説教的なアドバイスを俺は受けていた。
『如月先生くらい可愛いと、鬼の南郷さんも随分と入れ込むのねぇ…。』
とか言って来る。南郷さんはサラッと
『そりゃ、そうですよ。こっちが頭を下げてわざわざ作画して頂いている大事な先生ですからね。』
と上手く藤森先生をかわしている。こんな時は俺みたいにアタフタするだけの男じゃなく、藤森先生も南郷さんもやっぱり大人の男なんだと俺は感じてしまう。
だけどすぐに藤森先生がやたらと派手な高級な腕時計を見てから
『あら!?やだ…、もうこんな時間、私店があるからもう行きますね。南郷さん、ごちそうさま。4話と5話分のネームが出来たらまた連絡します。』
とバタバタと焦るように寿司屋の個室から出て行ってしまった。藤森先生が居なくなると俺の隣に座っていた南郷さんは
『藤森先生からは聞いたか?』
と俺に聞いて来る。俺は藤森先生からは南郷さんがベッドでガッツリとかの話ししか聞いてないから
『へ!?』
となってしまう。南郷さんはいつものようにクスクスと笑ってから
『藤森先生の落ち着きの無さは相変わらずだな。ネームの件で如月先生が作画しづらい時は如月先生の意見も取り入れたいって藤森先生が言うから今日の顔合わせをセッティングしたんだがな。』
と俺に説明してくれる。俺は
『それはよほどじゃない限りは俺の事は気にしないで大丈夫ですよ。あくまでも、これは藤森先生の作品ですから。』
と南郷さんに伝えていた。
そう…、これはあくまでも藤森先生の作品で俺の作品じゃない…。だから俺は出来るだけ余計な口を入れたくはない。コマ割りやセリフの置き変えで作品全体の雰囲気が変わってしまう事はよくある事だ。
俺が初めての連載でグダグダになった時、編集の坂口さんが出来るだけ良い方向へと修正しようとしてくれた。だけど結局は俺の作品じゃない違和感を抱えながら俺はその作品の連載を降りる事に決めた。
別に俺は坂口さんが悪いとか思ってはいない。結果としてそれだけ俺が未熟者だったってだけの話しだ。そしてその時は、珍しく無口な親父から
『自分を未熟だと思うのなら、経験を積み重ねろ。』
と説教的なアドバイスを俺は受けていた。