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愛されたいから…
第11章 南郷の思い
夕方にはリッちゃんの為に俺は夕食を作ってから
『食べたら送ってやるからな。』
と言ってやる。リッちゃんは不思議そうに
『やっぱり泊まっちゃダメなの?』
と聞いて来る。それは南郷さんが嫌がるから…、でも、それを言ってリッちゃんと気まづくなりたくない俺は
『明日は俺は編集部に行って出来上がったネーム確認して貰う日だからな、後はうちの冷蔵庫がそろそろ空だから、リッちゃん用に買い物も必要なんだよ。』
と言ってリッちゃんを誤魔化すようにしていた。
俺がリッちゃんの為にと言うだけでリッちゃんはご機嫌になって
『ならパパカレーが食べたい!』
とか俺に言って来る。俺は笑って
『あれは父さんにしか無理です。』
と言っていつものように俺に変わらず接してくれるリッちゃんとふざけて遊ぶのが楽しかった。リッちゃんとの夕食の後、リッちゃんを家まで送ってから俺は坂口さんに連絡をする。坂口さんが言っていたネームの確認の為の連絡だ。
電話の向こうではやっと仕事に前向きになった俺に嬉しそうにした坂口さんが明日は俺の家に来てくれると言っていた。だけどそれは多分、他の先生のところに行くついでだと俺は思う。
大先生で継続連載をするクラスの漫画家になれば担当さんは当然専属になるけれど、今までの俺みたいに読み切りの単発でしかも不定期だと担当編集さんは専属とはいかない。
ましてやここの出版社は月刊誌だからよほどのページ数を貰える売れっ子にならないとまず専属なんて有り得ない。
それでも気長に俺の担当を続けてくれた坂口さんだから俺は
だってそれは俺が大先生の息子だから…
と思い、そうやって1人になるとまたしても自分のコンプレックスが疼き始めて来ていた。俺はこんな自分を変えたくて、なんとなく南郷さんにも電話をしてしまう。
『どうした?』
と俺の好きな声で俺に優しく聞いてくれる南郷さんに俺は
『まだ仕事?』
と聞いてみる。緊張して自分の声が震えてしまう俺は本当は今すぐ南郷さんに会いたいと言いたいのにそれを南郷さんに言えない俺のままだった。
『食べたら送ってやるからな。』
と言ってやる。リッちゃんは不思議そうに
『やっぱり泊まっちゃダメなの?』
と聞いて来る。それは南郷さんが嫌がるから…、でも、それを言ってリッちゃんと気まづくなりたくない俺は
『明日は俺は編集部に行って出来上がったネーム確認して貰う日だからな、後はうちの冷蔵庫がそろそろ空だから、リッちゃん用に買い物も必要なんだよ。』
と言ってリッちゃんを誤魔化すようにしていた。
俺がリッちゃんの為にと言うだけでリッちゃんはご機嫌になって
『ならパパカレーが食べたい!』
とか俺に言って来る。俺は笑って
『あれは父さんにしか無理です。』
と言っていつものように俺に変わらず接してくれるリッちゃんとふざけて遊ぶのが楽しかった。リッちゃんとの夕食の後、リッちゃんを家まで送ってから俺は坂口さんに連絡をする。坂口さんが言っていたネームの確認の為の連絡だ。
電話の向こうではやっと仕事に前向きになった俺に嬉しそうにした坂口さんが明日は俺の家に来てくれると言っていた。だけどそれは多分、他の先生のところに行くついでだと俺は思う。
大先生で継続連載をするクラスの漫画家になれば担当さんは当然専属になるけれど、今までの俺みたいに読み切りの単発でしかも不定期だと担当編集さんは専属とはいかない。
ましてやここの出版社は月刊誌だからよほどのページ数を貰える売れっ子にならないとまず専属なんて有り得ない。
それでも気長に俺の担当を続けてくれた坂口さんだから俺は
だってそれは俺が大先生の息子だから…
と思い、そうやって1人になるとまたしても自分のコンプレックスが疼き始めて来ていた。俺はこんな自分を変えたくて、なんとなく南郷さんにも電話をしてしまう。
『どうした?』
と俺の好きな声で俺に優しく聞いてくれる南郷さんに俺は
『まだ仕事?』
と聞いてみる。緊張して自分の声が震えてしまう俺は本当は今すぐ南郷さんに会いたいと言いたいのにそれを南郷さんに言えない俺のままだった。