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愛されたいから…
第12章 イルマと南郷
自分に自信が無いイルマは我儘を言うと俺が嫌がるとか勘違いをしているのか?自分が愛されるはずがないと間違った思い込みをしているのか?

今だって、イルマの電話の声は震えていた。俺に何かを求めているくせに、たわいのない話しで終わらせてしまうイルマに俺は苛立って狂いそうになる。

今すぐにでもイルマの家に行って俺は無理矢理にでもイルマを抱きたくなる。

『なんで自分の気持ちくらい俺に言えないんだよ。』

そんな独り言で俺はため息をついてしまう。和也よりも、もっと女の子っぽいイルマ。和也は何方かと言えば可愛い子供という感じだった。

イルマはまさに女の子だ。ピンクの唇を少し尖らせて俺がイルマにキスをするとまたキスか?という顔をするくせに、俺がキスしないとしてくれないの?と切ない大きな目で俺を見て来る。

和也はSEXも激しく自分が感じるところは何時間でも俺にもっと感じさせろと求めて来た。イルマはほんの少し感じただけでも俺から逃げるようにして身体を捩らせる。だけど本当はそれを求めているイルマは黙ったまま俺にもっとと切なく悲しげな顔だけを向けて来る。

純粋だから、恥ずかしいとイルマは嫌がる。だけど残酷だから、もっと恥ずかしくしてくれと無言で俺にねだって来るイルマに、いつか、イルマも和也のように平気な顔をして俺の前から消えてしまうのか?と俺は不安を抱えてしまう。

イルマが俺に一体何を求めているのかがわからずに、イルマがどうすれば俺のそばに普通に居られるようになるのかを俺はひたすら悩み続ける。

俺はイルマをどうすればいいんだ?

イルマのその純粋さに引き込まれている自分が押さえられず、ただイルマに愛されたいとだけを思う俺はイルマの事を考えずにはいられなかった。

今の俺はきっとイルマが居ないのは耐えられない…

だからその時の俺は繊細でデリケートなイルマをただ過保護に甘やかすだけの男になっていた。少しでもイルマが求める事を俺はとにかく叶えてやりたいと願うだけだった。
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