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愛されたいから…
第13章 南郷と大地の怒り
映画の主人公の男の人が恋人と幸せな時間を過ごす気持ちに俺の気持ちも重なって、自分達が映画以上の幸せな恋人になった気分に俺はなっていた。

映画館を出てからは南郷さんが少し迷った顔で

『夕飯、新宿で食ってから送ろうか?』

と俺に聞いて来る。冬だから日が暮れるのが早い。多分、もうすぐ夕方になってしまい電車が混雑し始める頃だから俺に気を使ってくれているんだと俺はそうやって優しい南郷さんにまた嬉しくなって来る。

『折角の新宿だから、少しブラブラして、ご飯食べてから帰りましょう。』

そう俺が言った瞬間

『龍平!見つけた!俺、ずっと龍平を探したんだ!』

と俺みたいなボーイソプラノな声がして、俺よりも少し小さな男の子が南郷さんに抱きついていた。

男の子だよな…?

こんな女の子みたいな俺がそう思わされるほど、小さく痩せて、顔は病的なくらいに頬がコケていて、ただ大きな目だけがギラギラとした男の子。

南郷さんは完全に驚愕した顔で固まっているのに男の子が一方的に

『龍平!俺と行こう!俺は龍平がいないと眠れない!生きていけない!』

と街中なのに凄い声で平気で南郷さんに向かって叫んでいる。彼は南郷さんの恋人?いや元恋人?頭が混乱して来た俺はゆっくりとその場を後さずるように1歩2歩と離れていく。

南郷さんが少し頭を降ってから

『和也、今更何しに来た。俺はもうお前の我儘は聞かない。』

とかなり怒った顔で男の子に言っている。なのに男の子は

『やだ!絶対に龍平を連れて帰るんだ。パパもママもやっと龍平の事認めてくれて、日本に迎えに行っていいって言ってくれた!だけど龍平はもう前の家には居なくなってて…、俺はこの一ヶ月、ずっと龍平を探してたんだ!』

と喚き散らしていた。連れて帰るとか一ヶ月も探してたとか、それよりなによりもこんな街のど真ん中で南郷さんにしがみついて叫ぶとか、そんなに南郷さんは彼から愛されているの?

いや、南郷さんは俺に我儘になれって言っていた。彼は平気で南郷さんに我儘を言える男の子。つまり俺は今まで彼の代わりだったんだ。

そんな結論が導き出された俺はこの状況に俺が居るのが間違いなんだと自己完結してしまっていた。
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