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愛されたいから…
第13章 南郷と大地の怒り
この一ヶ月、俺に執着して薬物から離れていたのなら和也はもう大丈夫なはずだ。和也が滞在するホテルのロビーを抜けて俺はイルマの手を掴んだまま、ホテルのエレベーターに乗っていた。

エレベーターの中でイルマにキスをしてから

『絶対に俺の手を離すな。』

とイルマに俺は言い聞かせる。自分に自信が無いイルマはただこの状況に怯えた顔をするだけだった。

和也の部屋の呼び鈴を押すとすぐに扉を開けて和也が出て来て

『龍平!やっぱり来てくれた!ねぇ…、龍平、キスしてよ♡俺を今すぐに抱いてよ…。』

と言って俺に抱きついて来る。俺はイルマの手を握ったまま和也が滞在している部屋に入り

『お前を抱く気はない。今すぐアメリカに帰れ。』

と和也に言っていた。今の和也にはイルマが見えていない。いや、見ようとすらしていない。昔から自分に興味がないものに対しては全くの無関心で存在すらしていないように和也は振る舞う。

『龍平…、怒ってるの?大丈夫だよ。俺は今も龍平を愛しているから心配ないよ。』

とそうやって今の和也は自分の我儘を俺に対して通すのだけに必死だった。だから俺は少し和也から離れてからイルマの腰を引き寄せる。

俺の腕の中でジタバタするイルマだったが俺はイルマの顔を撫でながらイルマだけを見て、和也に

『和也には怒ってない。だけど俺は、あの頃も今も和也を愛していない。今、俺が愛しているのはイルマだけだ。』

と言ってやる。

イルマが俺の言葉に真っ赤になって俺から顔を背けようとする。和也はまだイルマの存在を認めようとはせずに

『はっ!?何言ってるの?龍平は怒ってるんだよ。だから、違う人を愛しているとか俺に嘘をつくんだ。大丈夫だよ…、龍平、俺はもう龍平とずっと一緒に居れるから…。』

と必死に俺に言って来る。俺は和也の言葉に泣きそうな顔に変わっていくイルマの唇を撫でながら

『イルマ…、俺にどうして欲しい?』

と聞いていた。和也に怯えて俯き加減のイルマが耳までも真っ赤にしてから

『龍平さん…。』

と呟いた。イルマがちゃんと和也と闘っている。控えめにそれでも力強くイルマが俺の為に闘っていた。

無茶な我儘を俺に押し付けようとする和也とは違いイルマは小さな我儘で和也と張り合おうとしているのが俺にはわかる。
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