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愛されたいから…
第15章 イルマの妄想
俺が少しは動けるようになっていたから、外で2人でお昼ご飯を食べて帰って来ると、南郷さんはまた仕事の続き…。そして俺は読書…。だけど、そういう静かで穏やかな時間が俺は好きだ。

バタバタとする落ち着きのない毎日は、段々と逃げ出したくなって来る自分を俺は知っている。だから、ある意味、大地や南郷さんみたいに仕事に追われていてもきっちりとやり遂げる男達はやっぱり俺にとっては憧れる存在だった。

夕方になって南郷さんが俺に

『悪い、タクシー代渡すから自分で帰れるか?今日は仕事が終われそうにねぇや。』

とかなり辛そうに言って来る。俺は

『俺が邪魔をしてるからね。簡単に南郷さんの分だけでも夕食を作ったら俺は帰るよ。タクシー代とか要らない。もう身体の方は大丈夫だから俺の事は心配はいらないよ。』

と南郷さんの分の夕食だけを用意してから帰る事に決めていた。南郷さんは優しく

『イルマが邪魔とかはないよ。俺が悪いんだ。』

とだけ言ってくれる。だけど俺にはわかっている。俺が南郷さんの事を考えてしまうと仕事に集中出来なくなるのと多分同じで、俺がそばに居ると南郷さんは落ち着かないんだ。

愛しているから愛されているから落ち着かない…

いつか空気のようにお互いがそばに居てそれが当たり前の存在と感じるようになるには俺も南郷さんもまだまだそれは先の事なんだ…。

ちゃんとそれが理解出来るから俺は今は寂しいとか思わなかった。そうやってゆっくりと少しずつ俺の中で様々な思いが変化する。

南郷さんに俺はちゃんと愛されているのか不安な時は多分、今の南郷さんの状況を俺は寂しいとか感じてしまっていた。今はちゃんと愛されているとわかっているから俺は寂しいとは思わない。

夕食を用意して帰ろうとした俺に俺を愛してくれているんだと教えてくれるように南郷さんがキスをしてくれる。軽いキスだと思って油断していた俺の口の中を犯すように南郷さんの舌が掻き回す。

『んぁ…、んはっ…。』

俺の息が出来なくなるほどの熱いキス…。南郷さんに反応して俺の身体が疼き頭が熱くなって、ちゃんと割り切ろうとする俺をまだここに引き止めるようなキス…。

股間が熱くなって来て俺は勃起する。アナルがムズムズとして感じてしまう。南郷さんに触って貰ってペニス挿れて俺をめちゃくちゃにして欲しい…。そうやって壊れるほど抱いて欲しい…。
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