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愛されたいから…
第15章 イルマの妄想
そんな風にもっと南郷さんに愛されたいから俺はそう考えただけでオーガニズムに達してイキそうになる。

酷いよ…、こんなに俺の身体を熱くさせてから俺を1人で帰らせるとか…、南郷さんは意地悪だよ…

くちゅくちゅと音を立ててお互いの唾液が口の中で混ざり合い、俺が溢れそうになる唾液を飲み込んで、まともに息が出来ずに目眩がするとか思った頃にやっと南郷さんのキスが離れていた。

『愛している。気を付けて帰れよ。』

と俺の耳に囁く俺の好きな声。きっと今の俺は真っ赤な顔で南郷さんにもっと俺にやらしくしてとねだった顔をしているはずだ。今はそんな自分がわかるから恥ずかしくて、悔しい気持ちのまま

『今月の〆切が終ったら龍平さんからちゃんと俺に連絡してよ。』

と俺は拗ねたように言っていた。南郷さんは

『わかってる…。』

とまたそんな俺の頬に今度は軽くキスをしていた。南郷さんの顔をまともに見れないまま、俺は南郷さんの家を飛び出していた。

そのまま、タクシーで俺はまずは大地の部屋に向かっていた。リッちゃんは今は俺にそっとしておいてやれと言ってたけれど、俺はとにかく今は大地と話しがしたかった。

大地のアパートの部屋の前で俺はその扉をノックしてみた。もし大地が留守で居なければ鍵を使って中で待つつもりだった。

だけど大地がすぐに扉を開けて俺を見て少し気まづい顔をしてから

『何しに来た?』

と俺に言う。俺は素直に

『俺が大地を好きだって伝えに来た。』

と答えていた。大地が不機嫌に顔を歪めて

『はっ!?』

とか言って来る。だけど俺は一方的に

『俺は大地を好きなんだ。同じ男として尊敬もしている。だから大地が居なくなるとかなり俺には辛いって事だけはよくわかった。でも、大地が南郷さんと一緒に居る俺が嫌なら大地とは2度と俺は会わないようにするよ。それだけはどうしても伝えたかったんだ。』

そう言っていた。自分の言いたい事を伝えたから帰ろうとした俺の腕を大地が掴んで

『お前が誰を愛していようと構わん。俺はお前のそばに必ず居てやる。それでいいのか?』

と聞いて来た。俺はそんな大地に嬉しくて

『今、時間ある?俺、腹減ってんだ。』

といつものように大地に言う。
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