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愛されたいから…
第16章 イルマの価値観
この状況で当然だけど俺は唯に対して不機嫌に

『話しって?』

となってしまう。今の俺は唯とは全く関係がない人間で、しかも人と居ると明らかにわかっている俺を引き止めるという非常識な唯にイラついてしまった。唯は

『あの時の事、謝りたくて…、あれは私の本心じゃなかったし、あれからイルマと話したくてもイルマが私を避けていたから…。』

と言い出した。あの時の事は今の俺にはもうどうでもいい事だ。そんなどうでもいい事なのに俺が唯を避けていたからとか、結局は俺が悪者的に唯に言われているってなんなんだ?

そんな苛立ちを隠せないまま俺は唯に

『昔の話しはどうでもいいし、別に今更、謝る必要もないよ。俺、今からまだ仕事の打ち合わせで、さっきの人待たせてるから、もう行くよ。』

と冷たい態度で言ってしまう。なのにまだ唯が慌てたように

『じゃあ、携帯だけでも教えて…。イルマが時間ある時にでも連絡するから。』

と俺に言う。

『悪いけど、連絡とかされても迷惑なんだ…。』

そう言った俺に今度は唯がキレて来た。

『いつもそうよね?常に自分だけが被害者みたいにイルマって振る舞うところとか、全然変わってない!私が謝ってもイルマはそんな謝罪は被害者には通用しないって感じを私に押し付けて来る。』

そう叫ぶ唯。これって逆ギレだよな…?俺はため息が出ていた。学生の時と同じなのはお互い様だ。唯が俺と行きたがる店が不味かったとしても唯は自分が俺を連れて行ったくせに

『この雑誌が悪いんだよ。』

と言って自分の責任は絶対に認めない。あの頃の経験不足な俺は、女の子とはそういうもので彼氏ならばそれを寛大に許してやるものなんだと俺は思っていた。

だが今の俺は違う。そもそも価値観の違う人と無理に付き合っていても自分が辛いだけなんだとちゃんと理解している。俺はまたしても唯に

『唯の言う通りだよ。だから俺なんかの連絡を知っても唯には意味がないだろ?唯の為に2度と会わないように俺なりに気をつけるよ。』

そんな嫌味を言って店を出ていた。店の外では俺を待っててくれていた南郷さんが

『もういいのか?』

と聞いて来る。俺は

『出来れば2度と会いたくない奴だから、早く帰りたい…。』

と切羽詰まったように答えていた。
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