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愛されたいから…
第17章 休日と仕事
ただの偶然なんだろうけど、あの和也さんが泊まっていたホテルだった。あれから一度だけ俺が居る時に和也さんのお母さんという人が南郷さんに電話をかけて来て、アメリカに帰った和也さんは薬を止める為に病院に入った事を知らせて来た。
落ち着いたら、和也さんは政府のアドバイザーとして特別な仕事をするらしいから、2度と南郷さんには会う事もないって、南郷さんが俺に教えてくれた。
パーティー会場の受け付けでコートや荷物を預け、俺はビンゴカードを受け取った。どこの出版社もワンパターンのように大概ビンゴをやるのは何故なんだ?とか俺は思ってしまう。
だけどいざ会場に入るとやはり俺は落ち着かない。煌びやかで華やかな人達がこの会場のあちこちで呑んだり食べたりしながら楽しげに会話している。
その雰囲気に完全に自分が浮いてしまっていると感じる俺は必然と壁際へと行き、1人で佇んでしまう。珍しくちゃんとサラリーマン風にスーツを着たベータの坂口さんがそんな俺を見つけて
『先生、呑み物でもお持ちしましょうか?』
と気を使って聞いてくれるから俺が
『お願いします。』
と言うとすぐに坂口さんが呑めない俺の為に炭酸系のジュースを持って来てくれた。ジュースを飲みながら俺はパーティー会場を坂口さんと一通り見渡した。
会場のど真ん中には一段と華やかで一際目立つ夫婦が大勢の人に囲まれているのが俺には見えていた。
『聖月先生は相変わらずですねぇ…。』
と感心したように坂口さんが俺に言う。目立つのは当然だ…、聖月 カルマ、本名 如月 カルマは漫画家では誰もが知る有名な大先生であり、そしてそれが俺の親父だからだ。藤色のスーツに身を包み、スマートでダンディなおじ様のイメージを崩さない俳優貼りに2枚目の俺の親父。
身長は180を超え、オールバックにした髪、切れ目長の目、如何にもスマートな男の親父の隣にこれまた当然とばかりに寄り添っているのは親父に合わせて藤色のドレスを着た三上 沙也加 本名 如月 沙也加がとても俺みたいな子供がいるとは思えないような姿で親父達と笑っていた。
お袋は俺よりも小さく、そして俺にそっくりだ。藤色のドレスは胸元が大きく開いていて太股の付け根近くまでスリットが入ったロングドレス。まだ20代でもう通るお袋にロマンスグレーの親父がロリコンに見られても文句は言えない状況だ。
落ち着いたら、和也さんは政府のアドバイザーとして特別な仕事をするらしいから、2度と南郷さんには会う事もないって、南郷さんが俺に教えてくれた。
パーティー会場の受け付けでコートや荷物を預け、俺はビンゴカードを受け取った。どこの出版社もワンパターンのように大概ビンゴをやるのは何故なんだ?とか俺は思ってしまう。
だけどいざ会場に入るとやはり俺は落ち着かない。煌びやかで華やかな人達がこの会場のあちこちで呑んだり食べたりしながら楽しげに会話している。
その雰囲気に完全に自分が浮いてしまっていると感じる俺は必然と壁際へと行き、1人で佇んでしまう。珍しくちゃんとサラリーマン風にスーツを着たベータの坂口さんがそんな俺を見つけて
『先生、呑み物でもお持ちしましょうか?』
と気を使って聞いてくれるから俺が
『お願いします。』
と言うとすぐに坂口さんが呑めない俺の為に炭酸系のジュースを持って来てくれた。ジュースを飲みながら俺はパーティー会場を坂口さんと一通り見渡した。
会場のど真ん中には一段と華やかで一際目立つ夫婦が大勢の人に囲まれているのが俺には見えていた。
『聖月先生は相変わらずですねぇ…。』
と感心したように坂口さんが俺に言う。目立つのは当然だ…、聖月 カルマ、本名 如月 カルマは漫画家では誰もが知る有名な大先生であり、そしてそれが俺の親父だからだ。藤色のスーツに身を包み、スマートでダンディなおじ様のイメージを崩さない俳優貼りに2枚目の俺の親父。
身長は180を超え、オールバックにした髪、切れ目長の目、如何にもスマートな男の親父の隣にこれまた当然とばかりに寄り添っているのは親父に合わせて藤色のドレスを着た三上 沙也加 本名 如月 沙也加がとても俺みたいな子供がいるとは思えないような姿で親父達と笑っていた。
お袋は俺よりも小さく、そして俺にそっくりだ。藤色のドレスは胸元が大きく開いていて太股の付け根近くまでスリットが入ったロングドレス。まだ20代でもう通るお袋にロマンスグレーの親父がロリコンに見られても文句は言えない状況だ。