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愛されたいから…
第4章 南郷の告白
何故か南郷さんは辛い顔をして切羽詰まったような声で俺に向かって

『嫌か?』

ともう一度確認するように聞いていた。俺は慌てて

『嫌じゃないです…、全然、嫌じゃないです。』

と必死に言うので精一杯だった。南郷さんは優しく俺を包み込むように抱き寄せて俺の頭を撫でながら

『だけどお前、ストレートだろ?』

とか言って来た。

『ストレート?』

『男に抱かれた事なんかないだろ?』

『残念ですが、女すら抱いた事がありません。』

と馬鹿みたいな答えを俺は南郷さんに答えていた。ただ南郷さんが俺の頭を撫でてくれていて俺は南郷さんが触れてくれる部分が熱くて気持ち良くて、さっきのビールで少しふわふわとしてて南郷さんととにかくこのままでいたいとか思うのに必死だった。

『なら、俺だけのものになれよ。』

そう南郷さんが俺に言う。南郷さんだけのものに俺がなる?それって…、俺は南郷さんの恋人になれるんですか?俺なんかが南郷さんのそばに居ていいんですか?

そうやって俺は自分の疑問をいっぱい南郷さんに聞きたくなって来る。だけど南郷さんがまた俺にキスして来て俺は南郷さんだけに感じて南郷さんだけでいっぱいにされるから考える事すら出来なくなっていく。

ゆっくりと俺が味見されているようなディープなキスに俺はまた股間までもが熱くなり、ムズムズとしながら南郷さんだけを敏感に感じていた。

丁寧に優しく俺の口の中を埋めるように舐めて来る南郷さんの舌、俺の頬を指先で撫でながら顔に添えられた大きな手、俺の貧弱な腰に回された腕がしっかりと崩れそうな俺を支えてくれていた。

そんなキスが離れて俺はぼんやりとした頭のまま

『南郷さん…、だから…、あの…。』

本当に俺でいいんですか?俺が男でもいいんですか?

と一気に吹き出す自分の感情を南郷さんに伝えようとした瞬間

チャラチャ♪チャッチャッ♪♪

とダイニングテーブルの上から3分クッキングのテーマが流れ出す。

『どわぁぁ!?』

と俺は焦ってテーブルまで行き、置いていた自分の携帯をひったくるようにして握っていた。
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