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愛されたいから…
第4章 南郷の告白
ただ泣きたい気分に俺はなっていた。

なんで俺は南郷さんに上手く自分の気持ちを伝える事が出来ないんだろ…

そうやってまたしてもコンプレックスに苛まれる俺に南郷さんは

『なら、一度食事にでも行こうと思ってましたけど連休明けの方がいいですね。』

と目を細めて俺を真っ直ぐに見つめて言って来る。

南郷さんが俺を見てる…

たったそれだけで俺は満足に自分の言いたい事が南郷さんに言えずに頭が熱くなって考えがまとまらずにパニックになってしまう。

そんな俺にただ優しく南郷さんが俺の頭を軽くポンポンッと撫でるように叩いてから

『〆切、頑張って下さい。何か必要な事があれば言って下さいね。』

とだけ言ってから俺の部屋から出て行った。

そうだった…、〆切前って事は編集長の南郷さんは俺より遥かに忙しいんだ。なのに、わざわざ俺のところに来てくれたのに俺はちゃんと自分の気持ちを南郷さんと話す事も出来なかった。

ここからの俺はまた自分の情けなさに自己嫌悪に陥る時間だった。

俺は何を南郷さんと話したんだっけ?

南郷さんには恋人が居なくてだけど好きな人が居るらしい。その南郷さんが俺を好きだと言ってくれたのだから俺は今きっと南郷さんの恋人になれたはず?

だけど俺は男でストレートだから…、とか南郷さんが言っていた。つまりそれって俺は南郷さんに片思いをさせているって状況なのか!?

いや、でも俺も南郷さんが好きなんだからそれは即ち一般的には両思いであり、別に問題とかないはずなのだから…、俺は南郷さんの恋人になれるんだよな?

結局、ちゃんと自分の気持ちを南郷さんに伝える事が出来なかったと俺はいつもの如く凹んで来る。なのに凹みながらも俺は色々と考えてしまっていた。

でもちょっと待て…、南郷さんが俺を好きって…、じゃあ、南郷さんはいわゆるゲイって奴なのか?そんで俺も南郷さんが好きなんだから俺達は恋人ではなくホモという関係なのか?

そんな事はどうでもいいや…、俺はやっぱり南郷さんが好きで南郷さんの事しか考えられなくて南郷さんの事を思うだけで身体が熱くなって来る。

これって正直俺には初めての経験だから、リッちゃんの言う通り、俺は初恋でしかもその相手が男の南郷さんだったってだけだよな。
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