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愛されたいから…
第5章 律子の思い
南郷さんだって〆切前で忙しい時期なのに…、俺は一体何やってんだよ!?
ここまで来るとさすがに俺は自己嫌悪を通り越して死にたい気分になって来る。それでもシャワーで簡単に自分で出した汚れを洗い流し、ちゃんと着替えてから俺は急いで仕事部屋へ向かった。
仕事部屋では既に南郷さんが俺の原稿を見ていて
『問題はないです。これ頂いて帰りますね。連休中は先生は旅行ですよね?』
といつもの編集さんの顔で俺に聞いて来る。そうやって冷静な南郷さんに俺は少し寂しくなって
『連休中は南郷さんは?』
と聞いてみる。南郷さんはさっきの事はまるで何もなかったかのようにごく普通に笑顔で
『一応、休みですが企画書のチェックとかがあるので自宅で仕事してますよ。』
と俺に言う。俺はそんな大人の南郷さんの態度が辛くて顔が上げれないまま南郷さんの服の端を掴んで
『電話…、してもいいですか?』
と聞いていた。本当は今は仕事中なんだからお互いに立場を割り切らないといけないのに俺がそうやって子供みたいな態度を取るから南郷さんは優しく俺の前髪を指先で軽く掻き上げてから俺の額にキスして
『待ってる。』
と言ってくれる。そんな風にほんの一瞬でも俺は南郷さんの恋人として扱って貰えるのが俺は嬉しかった。
『必ず、電話しますから…。』
そう言った俺は初めて顔を上げて南郷さんに笑顔で言っていた。南郷さんはそんな俺に少し驚いたような顔をしてから、すぐに穏やかな笑顔に変わり
『気をつけて行って来て下さい。』
と言ってから俺の家から出て行った。
憧れの人と恋人関係になれるのは本当に幸せなんだという感情を初めて俺は感じていた。
いつも俺は俺から人に対して何かのアクションを起こすとか苦手だった。だけど南郷さんに対しては俺は自分から電話をする事が出来るような人間になりたいとか、いつか自分の気持ちを素直に伝えたいとか、そういう事を出来る人間になりたいと俺はその日はずっと幸せな気分のままそう思っていた。
ここまで来るとさすがに俺は自己嫌悪を通り越して死にたい気分になって来る。それでもシャワーで簡単に自分で出した汚れを洗い流し、ちゃんと着替えてから俺は急いで仕事部屋へ向かった。
仕事部屋では既に南郷さんが俺の原稿を見ていて
『問題はないです。これ頂いて帰りますね。連休中は先生は旅行ですよね?』
といつもの編集さんの顔で俺に聞いて来る。そうやって冷静な南郷さんに俺は少し寂しくなって
『連休中は南郷さんは?』
と聞いてみる。南郷さんはさっきの事はまるで何もなかったかのようにごく普通に笑顔で
『一応、休みですが企画書のチェックとかがあるので自宅で仕事してますよ。』
と俺に言う。俺はそんな大人の南郷さんの態度が辛くて顔が上げれないまま南郷さんの服の端を掴んで
『電話…、してもいいですか?』
と聞いていた。本当は今は仕事中なんだからお互いに立場を割り切らないといけないのに俺がそうやって子供みたいな態度を取るから南郷さんは優しく俺の前髪を指先で軽く掻き上げてから俺の額にキスして
『待ってる。』
と言ってくれる。そんな風にほんの一瞬でも俺は南郷さんの恋人として扱って貰えるのが俺は嬉しかった。
『必ず、電話しますから…。』
そう言った俺は初めて顔を上げて南郷さんに笑顔で言っていた。南郷さんはそんな俺に少し驚いたような顔をしてから、すぐに穏やかな笑顔に変わり
『気をつけて行って来て下さい。』
と言ってから俺の家から出て行った。
憧れの人と恋人関係になれるのは本当に幸せなんだという感情を初めて俺は感じていた。
いつも俺は俺から人に対して何かのアクションを起こすとか苦手だった。だけど南郷さんに対しては俺は自分から電話をする事が出来るような人間になりたいとか、いつか自分の気持ちを素直に伝えたいとか、そういう事を出来る人間になりたいと俺はその日はずっと幸せな気分のままそう思っていた。