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愛されたいから…
第6章 大地の思い
傷つき易いイルマの事だから、そのうちそんな恋愛が続けられない事くらい自分で悟って別れるはずだ。

恭一さんみたいに家族ってラインにまで入り込む事が出来なければ、結局は辛い恋だけで終わってしまう関係だと俺は知っている。

俺や親父にとって、恭一さんは家族以上の存在だ。親父だってさすがにそれをわかっているから、いつまでも恭一さんのマンションから出て行く事が出来ないままなんだ。

だから俺はイルマとそこまでの関係を築き上げると決めたんだ。そんな覚悟のない適当な男にイルマを取られるとか、絶対にごめんだ。

今は、初めての恋愛にイルマは酔ってるだけなんだ。俺はずっと箱根に着くまでの間、そんな事を考え続けてイルマの頭を撫で続けていた。

イルマはただ嬉しそうに

『大地がわかってくれて良かった…。』

といつもの可愛らしい無邪気な顔で言っていた。

別に理解なんかしてやった覚えはない。だがイルマにはその方が気が楽なんだと俺は感じるから黙ったままイルマの頭を撫でてやる。

たったそれだけでイルマは安心したように窓の外をぼんやりと眺めながら可愛く穏やかな顔になっていた。

ふわふわで柔らかなイルマの髪を俺が撫でるとシャンプーの香りが広がり俺はそうやってイルマを女のように甘やかしてしまう。傷つき易くて可愛いイルマ。

そんなイルマを俺は愛してるからこそ理解したフリをしてイルマのそばに居てやるのだ。それは律子も同じ考えだ。だから律子は俺には抱かれたがる。イルマの代わりが出来るのはイルマを理解している俺にしか出来ないと律子が感じているからだ。

そんな残酷なイルマがいつか自分の恋に傷ついて、きっとまた俺を律子のように求めて来るはずだから俺はその日までイルマを理解したフリをしてイルマを待つだけの男だった。

多分、それはかなり辛い日々になり、クズな女と結婚した田舎者の親父から恭一さんが一度都会へと逃げた事を考えれば、俺もそうやって逃げたくなる時が来るのかもしれないとその時の俺は思っていた。
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