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愛されたいから…
第6章 大地の思い
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俺だって大地みたいな男になりたかった。箱根行きの電車の中で俺は大地に優しく頭を撫でられて俺はそう思ってしまう。

いつも余裕があって、俺みたいにすぐにパニックになんかならずに冷静な大地。身体なんか筋肉ムキムキでリッちゃんは大地をただの脳筋だと笑うけど、カメラマンとして頑張ってる大地は俺にとって頼れるお兄ちゃんって存在だ。

南郷さんの事はさすがに大地には軽蔑されるかもって俺はちょっとドキドキとしたけれど、いつもと変わらない大地に俺は少しホッとしていた。

大地が言うように南郷さんが俺を傷つけるとか、今の俺には全く想像出来ないけれど、もし俺になんかあってもいつも通りに大地はこうやって俺のそばに居てくれる。それだけでも俺には充分に心強い気持ちになっていた。

だけど南郷さんが俺を傷つける?南郷さんの手はいつも俺に優しくて、俺を熱くさせてくれる。そんな俺は狂いそうなくらい南郷さんには感じてしまう。

今は大地にもたれて大地に頭を撫でて貰ってるのに俺は南郷さんのあの手の感覚を思い出してまた身体が熱くなって来る。

南郷さんが言ってたけど…、俺って…、本当にやらしいのかな…

ちょっとドキドキとしながらそんな自分にまた自信がなくなっていく。だって南郷さんに逢いたくて…、南郷さんの腕の中に俺は居たいんだよ…。

南郷さんのあの声で可愛いよって言われたら、俺の中からいつものコンプレックスが消えて…、南郷さんにはもっと可愛いって思われたいとか思ってしまう自分がわかるんだ。

リッちゃんのイタズラには腹が立つけど…、きっと俺が大地と2人だけで旅行するからリッちゃんは拗ねてたんだ。だから、仕方がないからリッちゃんにはお土産を買ってやって許してやろう。

俺はやっぱり、リッちゃんが妹みたいに可愛いし、大地がいないとダメなんだって思ってしまう。

でも、南郷さんは別なんだ。きっと今の俺は南郷さんがいないと生きていけないとか思っていた。だからきっといつか俺はリッちゃんと大地よりも南郷さんを選んでしまう。

そんな事を俺が考えていたら、箱根に電車が到着していた。大地に

『降りるぞ。』

と言われ、俺は荷物を持って電車から降りていた。駅の近くでレンタカーを借りてからまずは泊まる予定の旅館に向かっていた。
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