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愛されたいから…
第1章 イルマの出会い

そして俺は俺に頭を下げる南郷さんに
『よくある事なので気にしないで下さい。』
と言いながら、自分の言葉に凹んでしまう。よくある事…、女に間違えられて男にナンパされたり痴漢に会ったりのよくある事は男として生まれた以上は決して嬉しい事とは言い難い。
そんな俺の凹みを全く気にしていないように南郷さんが俺に
『何故、短期にする必要が?先生の作品ならファン投票は毎回トップクラスじゃないですか?』
と言って来た。
この人は俺の作品を知っている!?いや、本当に俺の作品を知っているのか?と俺は南郷さんに聞いてみたくなる。
さっきも述べた通り、確かに俺は絵が綺麗だからと単発の読み切りにすれば何とか人気はそれなりにあるのだが、それを連載に持ち込もうとすると途端に作品はガタガタになってしまう。
だから俺は頭をかき、自分の後ろめたさをそのまま南郷さんに
『俺は連載には向いてないんですよ。ストーリーに自信が無くて、いつも連載はポシャってますよ。』
と素直に言った。だけど南郷さんはそんな俺の言葉に突然目を輝かせてから
『なら、うちで作画だけやりませんか?』
と言って来た。南郷さんのところで作画?そう思った俺に編集長が慌てるように
『ちょっと、待ってよ南郷さん、貴方のところで如月 るいの名前を落として貰うとそれはうちが困る事になるんだけど!?』
と少し発狂気味に言う。この出版社の編集部はアルファが少年漫画、ベータが少女漫画、ガンマと言えば…、と俺はぼんやりと考える。呑気に考えている俺の隣では
『先生をイメージする作画を少し変えて貰って、ペンネームを変えれば、如月ファンが描いた作品程度にしか読者には見えないはずだ。うちのファンからは如月先生の作画風のものが欲しいって希望はかなり出ているのも事実だからな。』
と南郷さんが真剣にベータの編集長を説得し始めた。俺の方はといえば馬鹿みたいに南郷さんのバリトンボイスなこの声にドキドキしながら
『何故、作画を?』
と聞いた。南郷さんはしめたとばかりに俺の手を引いて
『お時間あります…?ありますよね。詳しくはうちの編集部で打ち合わせしましょう。』
と言って俺をベータの編集部から連れ出した。これではまるで人攫いだ。だが、編集の人間はこういう強引な人が多いのは事実だ。
『よくある事なので気にしないで下さい。』
と言いながら、自分の言葉に凹んでしまう。よくある事…、女に間違えられて男にナンパされたり痴漢に会ったりのよくある事は男として生まれた以上は決して嬉しい事とは言い難い。
そんな俺の凹みを全く気にしていないように南郷さんが俺に
『何故、短期にする必要が?先生の作品ならファン投票は毎回トップクラスじゃないですか?』
と言って来た。
この人は俺の作品を知っている!?いや、本当に俺の作品を知っているのか?と俺は南郷さんに聞いてみたくなる。
さっきも述べた通り、確かに俺は絵が綺麗だからと単発の読み切りにすれば何とか人気はそれなりにあるのだが、それを連載に持ち込もうとすると途端に作品はガタガタになってしまう。
だから俺は頭をかき、自分の後ろめたさをそのまま南郷さんに
『俺は連載には向いてないんですよ。ストーリーに自信が無くて、いつも連載はポシャってますよ。』
と素直に言った。だけど南郷さんはそんな俺の言葉に突然目を輝かせてから
『なら、うちで作画だけやりませんか?』
と言って来た。南郷さんのところで作画?そう思った俺に編集長が慌てるように
『ちょっと、待ってよ南郷さん、貴方のところで如月 るいの名前を落として貰うとそれはうちが困る事になるんだけど!?』
と少し発狂気味に言う。この出版社の編集部はアルファが少年漫画、ベータが少女漫画、ガンマと言えば…、と俺はぼんやりと考える。呑気に考えている俺の隣では
『先生をイメージする作画を少し変えて貰って、ペンネームを変えれば、如月ファンが描いた作品程度にしか読者には見えないはずだ。うちのファンからは如月先生の作画風のものが欲しいって希望はかなり出ているのも事実だからな。』
と南郷さんが真剣にベータの編集長を説得し始めた。俺の方はといえば馬鹿みたいに南郷さんのバリトンボイスなこの声にドキドキしながら
『何故、作画を?』
と聞いた。南郷さんはしめたとばかりに俺の手を引いて
『お時間あります…?ありますよね。詳しくはうちの編集部で打ち合わせしましょう。』
と言って俺をベータの編集部から連れ出した。これではまるで人攫いだ。だが、編集の人間はこういう強引な人が多いのは事実だ。

