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愛されたいから…
第8章 イルマの実家
なんだったんだよ…!?

と結局、1人だけ家に取り残された感じがする今の俺は泣きたいよりもなんだか腹が立っていた。

何故なら、この状況は俺と南郷さんの貴重な時間を中途半端に大地に邪魔されたという事だけは馬鹿俺にも理解が出来るからだ。

それでも俺は南郷さんに本気だって言って貰えた事に顔が緩んでニヤケてしまう。あの南郷さんが本当に俺の恋人になってくれるんだ…。

この関係が色々と大変なのだという事を俺は理解したけれど、それでも南郷さんと居られるのなら俺はなんでも構わない。男だけど俺は南郷さんを独り占め出来るんだとか1人で浮かれて色々と想像してしまう。

ニヤケてた俺に箱根土産の宅急便が届けられてた。新しい原稿入れを仕事部屋に置いてみると俺はそれを早く使いたくなって来る。もう時間はとっくに昼を過ぎていた。

とりあえず仕事部屋で俺も南郷さんみたいにちゃんと仕事しなければとパソコンを開いていた。パソコンには前回の俺の描く予定の少女漫画のストーリーが中途半端なままだった。

自分が書いていたストーリーを読み返してみた。

平凡な家庭の平凡な女子高生が自分のお小遣い欲しさにコンビニでバイトを始める。バイト先には学校で1つ上の先輩が大学受験生のはずなのに少女と同じようにバイトをしていた。

方や平凡にコンプレックスを持ちいい加減な気持ちでバイトをする少女に対し、方や学年一番の秀才の先輩は片親で学費が厳しいからと進学に悩みバイトをしているという状況の中で少女は自分の考えの浅はかさを先輩から教わり恋をする。

これなら連載に持って行けそうか…?

そんな事を俺は考える。とりあえず、先輩の高校卒業までを一区切りにして、連載が長引く場合は少女の受験を先輩が助けるストーリーで引き延ばせる。

次はストーリーに合わせてキャラのイメージを図にしていく。設定があくまでも平凡な少女だから…、一応、可愛いけれど美人ではない雰囲気。髪は黒髪の肩までの長さ、太るかもと気にする体型で身長は低め。

先輩の方は如何にも男前のジャニーズキャラ。爽やかで勉強が出来る女の子の憧れをそのまま描くように俺はキャラクターを仕上げていく。
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