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愛されたいから…
第8章 イルマの実家
少女漫画だから…、主人公の少女の憧れに読者が感情移入しやすく出来るキャラを図にしていく。学校の制服姿を1人ずつ決めると次は2人で並んんでいるものを描いたり、コンビニのエプロン姿を描いてから、私服の設定も何枚か描いて決めていく。
その全てが描き終わると、もう深夜になっていた。
しまった…、旅行から帰って来てから買い物をしてない以上、うちの冷蔵庫は俺が食べれる物が何もない。
腹が減った俺は自炊を諦めてから家を出てマンションの駐車場で自分の車に乗っていた。
俺の家から車で10分も走れば実家がある。実家ならばアシスタントさんの為にと備蓄された大量の食料が俺の家の倍はある大型冷蔵庫に必ずあるのを俺は知っている。
稼ぎに稼いだ俺の親はかなり立派な洋風の一戸建てに住んでいる。離れも有り、アシスタントさんが寝泊まり出来るようにもなっていた。
俺は深夜だからと出来るだけ静かに実家の扉を開けたつもりだったが
『こんな時間にどうしたの?』
と俺の目の前にいきなり俺にそっくりな、いや俺が似たんだけど、とにかく俺のお袋が立ち塞がっていた。俺みたいな息子が居るとはとても思えないような紫の色気たっぷりなネグリジェを着たお袋に俺は普通に
『冷蔵庫が空なの忘れて、仕事に夢中になってたんだよ。これ箱根の取材旅行の土産。』
と土産をお袋に渡してから俺の状況を説明する。俺と同じ漫画家だから、不規則な生活に慣れているお袋はニヤリとしてから
『今日はパパカレーがあるわよ。イッちゃんたら、いいタイミングで来たわね。』
と言って来る。パパカレーとは親父が作ったカレーの事だ。〆切明けとかで時間的に暇になると親父はスパイスを自分で調合してこだわりカレーを作るという趣味がある。
このカレーが店で出せるくらいに美味いから、俺は実家で余っている分を全部持って帰るくらいのパパカレーのファンだった。
『ラッキー♪父さんは?』
『もう寝たわよ。私も寝ようとしたら、イッちゃんの車の音が聞こえたから、起きて来たのよ。』
そんな文句を言いながらも台所で俺の為にカレーをお袋が温めてくれる。一人息子で溺愛されて育てられて来た俺は、よほどじゃない限り親に叱られたりした事がない。
親の方も〆切だなんだと俺を放ったらかしにして来た負い目があるから、とにかく俺には甘かった。
その全てが描き終わると、もう深夜になっていた。
しまった…、旅行から帰って来てから買い物をしてない以上、うちの冷蔵庫は俺が食べれる物が何もない。
腹が減った俺は自炊を諦めてから家を出てマンションの駐車場で自分の車に乗っていた。
俺の家から車で10分も走れば実家がある。実家ならばアシスタントさんの為にと備蓄された大量の食料が俺の家の倍はある大型冷蔵庫に必ずあるのを俺は知っている。
稼ぎに稼いだ俺の親はかなり立派な洋風の一戸建てに住んでいる。離れも有り、アシスタントさんが寝泊まり出来るようにもなっていた。
俺は深夜だからと出来るだけ静かに実家の扉を開けたつもりだったが
『こんな時間にどうしたの?』
と俺の目の前にいきなり俺にそっくりな、いや俺が似たんだけど、とにかく俺のお袋が立ち塞がっていた。俺みたいな息子が居るとはとても思えないような紫の色気たっぷりなネグリジェを着たお袋に俺は普通に
『冷蔵庫が空なの忘れて、仕事に夢中になってたんだよ。これ箱根の取材旅行の土産。』
と土産をお袋に渡してから俺の状況を説明する。俺と同じ漫画家だから、不規則な生活に慣れているお袋はニヤリとしてから
『今日はパパカレーがあるわよ。イッちゃんたら、いいタイミングで来たわね。』
と言って来る。パパカレーとは親父が作ったカレーの事だ。〆切明けとかで時間的に暇になると親父はスパイスを自分で調合してこだわりカレーを作るという趣味がある。
このカレーが店で出せるくらいに美味いから、俺は実家で余っている分を全部持って帰るくらいのパパカレーのファンだった。
『ラッキー♪父さんは?』
『もう寝たわよ。私も寝ようとしたら、イッちゃんの車の音が聞こえたから、起きて来たのよ。』
そんな文句を言いながらも台所で俺の為にカレーをお袋が温めてくれる。一人息子で溺愛されて育てられて来た俺は、よほどじゃない限り親に叱られたりした事がない。
親の方も〆切だなんだと俺を放ったらかしにして来た負い目があるから、とにかく俺には甘かった。