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愛されたいから…
第8章 イルマの実家
こういうリッちゃんが可愛いけれど…、俺はちょっと腹が立つ。

『箱根の土産があるから取りに来いよ。』

ふてくされるようにそう言った俺にリッちゃんが

『この前の事、もう怒ってないって事は、あの南郷さんにたっぷり可愛い姿で可愛がって貰えたんだ?』

とか言って来る。あの時の事を思い出すと一気に俺は南郷さんの手を思い出して身体が疼いて来てしまう。

俺が初めて、南郷さんにイカされた…

それだけで俺は勃起して変な気分になって来る。今日の夕方には俺は南郷さんと会うのに…、俺は本当にやらしいのかも…!?

そんな風に悩む俺に呑気なリッちゃんは

『もしもーし♡イッちゃん、聞いてるのー?』

と叫んで来る。俺は自分の股間のものを押さえながらリッちゃんに

『要らないなら捨てるぞ。来るか来ないか今すぐに決めろ!』

と無意味に叫んでいた。リッちゃんは

『今日はガトーショコラな気分だから、コーヒーをよろしくねぇ♡』

と言って電話を切っていた。リッちゃんがそうやってケーキの話しをするって事はちゃんとうちに来るって事だ。

やっぱり俺はそんなリッちゃんが可愛いとか思ってしまう。お互い一人っ子で兄妹みたいに育って来たから俺はリッちゃんにだけは何をされても可愛い女の子という扱いになってしまう。

リッちゃんはそんな俺が男に夢中でラブラブ中とか平気なのかな?

とか俺は考えずにはいられなかった。

30分程度でうちにケーキを持って来たリッちゃんに箱根土産を渡しながら

『すげーいい温泉だったから、次はリッちゃんも連れてってやるよ。』

と俺が言うとリッちゃんは

『そういうのは彼氏と行くべきだよ。』

と言って来る。だから俺は少し真面目に

『リッちゃんは、俺が男と付き合ってるとかいう状況は平気なのか?』

と俺の不安を聞いてみた。するとリッちゃんが突然俺の服を掴んで俺にしがみついて来た。リッちゃんは顔を下に向けたまま

『平気じゃない…、全然、平気じゃない…。でも、イッちゃんが凄い幸せそうな顔してるんだもん。イッちゃんが幸せなら私は何も言えないもん。』

と半泣きのような声で俺に言う。やっぱり、そんな簡単には南郷さんの事を誰も認めてはくれないんだなと俺はリッちゃんの態度からそう感じていた。
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