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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境

「そんなことは……無いよ」

本当にそうだろうか。
あの時、蓮が一緒に住む話を持ち出して、部屋も食事もと言われ頷いたのは僕。
千弥は? 僕と蓮の説得で、漸く頷いたんじゃなかった?
武田じゃないけど、普段の千弥は流されやすいと僕だって思う。……やっぱり武田の言う通りだろうか、千弥は流されて一緒に住んでしまった。無理矢理に千弥のプライベートに、僕たちのほうが踏み込んでしまったの?

「小野寺がそう言うんだったら一応は信じるが、もし違ったなら早めに解放してやるんだな。まっ、同期の忠告とでも思ってろ」
「別に三苑さんを拘束しているわけじゃない、でも考えてはみる」
「それで良いさ」

千弥が僕たちのことをどう思っているか、千弥自身の口から聞いたことは無いんだ。僕たちの告白や同居の話には頷いてはくれた。でもそれだけで、好きとか嫌いとか具体的な話になると……昨日の最中に好きと言葉に乗せてくれた程度。
あれだって、その場での勢いだったのかも知れない、豹変した千弥の言葉だった可能性だってある。

昼食を食べながら、僕は改めて千弥のことをなにも知らないと思い知る結果に……。
真実が知りたい、千弥の本当のことを。それを蓋してしまったのは僕なのに、知りたくて堪らなくなる。どうしてああなってしまったのか? どんな男が千弥を変えたのか? 好きだからこそ教えて欲しいと思ってしまうんだよ。
千弥は教えてくれるの? それすら僕には分からない。

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