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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境
「……ただ?」
「僕の他にも三苑さんが好きな奴が居て、今は三人でシェアして暮らしてる」
「はぁ!?」
そりゃ驚くよ、普通に考えたらあり得ない話。だけど僕は蓮と言い争いなんてしたくなかった、千弥を悲しませるようなことはしたくなかった、それがあの共同生活に頷いた理由。
「それで三苑さんは納得してるのか? おかしいだろ、普通に考えれば選ぶのは三苑さんだ、小野寺とその男じゃない」
「納得はしてくれているとは思う。シェアの話だって頷いてくれたし、三苑さんの部屋には一切入らない、そんなルールもあるんだよ」
「…………」
僕の説明に武田は考え込んでしまった。そこまで変なことを言った? 確かに三人住むのはおかしいとは僕だって思ってる、千弥が納得しなかったらシェアの話は流れてた、それくらいの理解はしているつもり。
武田がなにも言ってくれないので、僕は目の前にある肉定食に手を出し始める。
焼き肉風にサラダと小鉢、味噌汁にお茶と、シンプルながらボリュームのある定食。今日の朝がほら、あんなだったから注文してみる気になった。
普段は頼まないよ? 蓮の朝食と夕食がどれだけカロリーが高いか……。ジムに通い出したのもそのせい、余剰カロリー消費のためだって。
「……それな、小野寺たちが強引に進めたんじゃないか?」
「…………え?」
急に話し出した武田の言葉を聞き逃した僕は、変な声を上げて武田に聞き返す。
「小野寺とその男が、強引に三苑さんを頷かせたんじゃないかってこと。彼女流されやすそうだしな」