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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第8章 3人で-男同士の共闘

「あまり太らない体質らしいね。これでも提供する料理の味見に、かなり食べてはいるんだけど、一向に太る気配は無し。ついでに鍛えてもさしたる筋肉も付かないのがまた……」
「つまり、筋肉質になりたいんですか?」
「出来ればね。毎回病気じゃないのと心配されるのが痛いかな?」

細身も悩みはあるんだ、私から見れば羨ましい体質なのに、蓮さんは違うみたい。

「筋肉だったら僕のほうがあるよね。毎日デスクワークじゃあるまいし、現場に行けば重い物が沢山。最近は鉄骨を担いで歩いたかな?」
「コーディネーターが鉄骨ね、思ったより重労働だねそれは」
「初期から携わりたい、そう考えているだけだよ」
「私は……無理かも……」

相変わらず手伝い程度で、本格的にコーデはしない私。自信が持てないのもあるけれど、今の安定を手放したくない思いが、どこかに存在しているせいだとは思う。
あのデパートの一件以来、また外が少し苦手になった。社内やここでは普通だけど、外を歩いていると怖く感じる時がある。……彼奴に会ってしまうんじゃないかって。
だから通勤は陸さんと一緒となり、会社では色々と噂されている……やっぱり付き合い出した、みたいな言い方をされているのは知ってるよ。

「同じ空間でも、千弥は内装や小物コーデ系なんだから、鉄骨は無い無い」
「まだ設計のほうは、資格を取っていないから」
「設計士の国家試験って、毎年あるんだよね陸?」
「あるよ。そろそろ千弥もチャレンジしたら?」
「……考えておくね」

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