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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第8章 3人で-男同士の共闘

「嘘ではないのだし良いのでは?」
「そうなんですけど……」
「僕が千弥を追い掛けていたのは社内では有名話で、いよいよもって付き合い出したのかなんて、めちゃ言われてるんだよ。そこに連まで出て来たら、火に油を注ぐだけ」

テーブルに付きながら、最近の困った事情説明。これが本当に社内中なので、私も陸さんも反論すら出来ず、噂ばかりが勝手に回っているのよね。

「隠しているわけではなし、別に良いと思うけど違う?」
「毎日ひかやしの対象にさえならなければ、僕だってもっと大々的に言うよ」
「ほとんどが陸さんだから、私としても穏便に済ませたいんです」
「なるほど、だから火に油ね。千弥に更に言い寄る男性が居たなんて知れたら、今度は吊し上げかい陸?」
「そういうこと」

朝食のパンを食べながら、私と陸さんは深い溜め息を吐く。もし連さんのことまでバレたら……どちらかと言えば非難だと思うから、連さんを出したくないが私の言い分。これ以上陸さんに迷惑を掛けたくないの。

「ごちそうさまー。
じゃあ行こう千弥……あー三苑さん……」
「うん」
「あぁ、今日の夜には部屋の改装が終わるよ。帰って来てから……ね?」
「分かりました蓮さん」
「楽しみだなぁ僕」

もう一度化粧直しをしてから、私と陸さんはマンションから出てバス停まで歩く。人事には引っ越しのことは話しているけど、他の社員にはまだバレてはいない、勿論三人で一緒に暮らしていることも黙ったまま。今はこれで良いと思う。

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