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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第8章 3人で-男同士の共闘

「陸はそう考える」

テーブルに盛り付けた筑前煮を置きながら、俺は陸がどの程度のことを千弥にしたのかを考え始めた。
道具で強制的にイキっ放しにし、どういう理由かは知らないが菊の花を犯す。それは口で言っているほど単純なことではなく……いや、単純なのか? ひたすら責めて、責めて、責めて、責め尽くせば、陸の言った通りにはなるだろう。
どんなに責めても嫌とは言わない千弥、俺は、俺たちは千弥を壊したいのだろうか? その疑問が頭を過る。

「考えると言うよりは確信に近いとは思う。あんな震え不安定な千弥を見るくらいなら、快楽を欲している千弥を見ていたほうが良い。両極端なんだよ今の千弥は、アンバランス過ぎて前者に行き過ぎる千弥だけはダメだって感じたんだ、だから蓮の話に乗った」
「俺はチラッと見ただけだけど、確かに別種の危うさは見てとれたよ。後者に走れば、千弥は快楽の中だけに居れば良い。その気持ちも分かるね」

快楽だけを……それは別名依存とも言う。不味いほうに傾くより、依存させたほうが千弥のため。そう割り切らないと、これから先はやりきれないだろう。

「話は分かったよ。早く着替えないと、千弥が戻って来るよ陸?」
「あ、不味い」

慌てて自分の部屋に走る陸を横目で見ながら、俺はまたテーブルに皿を置く。
少しでも千弥の負担が軽くなれば良いが、逆効果だった場合は俺たち揃ってどうすればいいのだろう? 謝って済む問題ではないことくらい承知している。願わくは、千弥が受け入れてくれることを俺は望む。

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