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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第8章 3人で-男同士の共闘
二人の言葉に涙が止まらない。だって、だって、この話にこんな優しい言葉をかけられたことが無かったから、今まで溜め込んでいたものが涙となり溢れて止まらないの。
「泣かないで欲しい千弥」
「でも、でも! 言えば蔑まれるか嫌われると思ってた。汚い私に幻滅するんじゃないか、そう思っていたから……」
「あのね千弥、僕たちは千弥の不安定さを薄々感づいていたんだ。だから蓮が言ったこの部屋の話にも乗った、それで少しでも千弥の心が安定してくれないかなって、そう僕は思ったんだよ」
「汚いとも幻滅するとも思っていないよ千弥。俺は今の千弥が好きだからね。過去になにがあろうと、俺たちを見てくれる千弥に変わりはない」
「陸さん……蓮さん……」
ダメ、余計に涙が止まらなくなる。正直に話した私を受け入れてくれる二人に対する嬉し泣き、それが一番近いんだよ。心優しい二人の心に、私は初めて本気で涙を流した。
そんな私の涙を拭ってくれる蓮さん。
私を安定させるように、後ろから腰に腕を回し抱き締めてくれる陸さん。
二人の真っ直ぐな心が、私を安定させてくれるの。
「千弥が落ち着くまで僕はこうしているよ」
「無理になにかをするつもりは無いからね、俺もこうして千弥を抱き締めているよ」
「ありが……とう……」
そのつもりのはずだったのに、私が言ったせいで……。でも二人に挟まれ、私は今幸せを感じているの。こんな私の人生で、本当に私を愛してくれる人が居たこと、それが物凄く嬉しいの。