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第11章 忍び寄る過去の影-千弥の決断

「三苑さん、１つ聞いて良いか？」
「は、はい」
「普通女性一人に男性二人はあり得ない、三苑さんはどちらを選ぶ気だ？　それとも選ばずに、有耶無耶のまま付き合うつもりなのか？」
「有耶無耶になんてしてません！」

あっ、私つい……。
武田さんの言い分は合っているとは思う。私一人に二人の男性、これって言い方が悪ければ二股とも言うでしょう。

「それとも小野寺たちに押し付けられたか？　三苑さんは流されやすそうだ」
「……それも違います」
「では三苑さんの意思だと？」
「はい。初めは確かに強引な話だったかも知れません。ですが二人と一緒に暮らして、どちらか片方ではダメだと分かったんです。人になんと言われようと、武田さんがどう思おうと、私には二人とも必要ですので、どちらかを選ぶ気はありません」

……言っちゃった。絶対に悪印象だよねこれ。でも有耶無耶にもしていないし、押し付けでも流されてもいない、しっかりとした私の意思だもの、言われてはいそうですなんて言いたく無かった。

「く、くっ……。
いや、すまんすまん。小野寺から聞いた時に疑問に思ってな、だから三苑さんの意思確認をしただけだ。……そうか三苑さんの意思か、それだったら俺はなにも言わない、悪かった」
「いえ、そう思われても仕方がありませんから」
「しかし男性二人は大変じゃないのか？」
「二人とも優しいですから、大変とは思いません」
「愛されてんな、小野寺ももう一人の男も。まぁ、俺から言えるのはこの程度、上手くやるんだぞ」
「はい、そうしますね」