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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第3章 驚く共同同居契約
◇
私と小野寺さんは、尾上さんに連れられ、アルコールが入っているからと、タクシーに乗りマンションまでやって来た。
10階立ての間取りが広そうなマンション、こんな良い場所だったなんて、私は驚きを隠せない。有名だけど、まだ24歳のフードコーディネーターだよ? どう考えても、個人で購入出来る物件とは思えないの。
「行こう、三苑さん、小野寺……面倒だね陸で良いかな?」
「じゃあ、僕も蓮って呼ぶ」
「そのほうが気楽だね」
「……え? 私??」
エレベーターに乗りながら、二人が見つめるのは……私。その、私も名前呼びのほうが良いの? そして名前で呼ばれたほうが良いの?
「三苑さんは呼べるかい?」
「……陸さん……蓮さん……私も千弥って呼ぶの?」
「千弥って呼びたいよ僕」
「俺も……千弥……」
「…………」
名前で……千弥って呼ばれただけで、心臓がドクンと高鳴る。名前なんて親くらいしか呼ばないものだと思っていたから、男性に呼ばれるのは凄くドキドキするのよ。
エレベーターが止まり、尾上……蓮さんは自分の部屋に案内する。扉を開いて、私と陸さんを中に入れ、鍵をかける音が聴こえる。
簡単に付いて来たけれど、男性の家に上がり込むなんて、私……とんでもないことをしていない?
「シンプルで悪いね」
「広っ!」
「シンプルですけど、綺麗に整えてありますね」
家具とか物は多くはない、生活最低限の物があるだけ。それでも生活感はある室内。蓮さんはその先にある部屋へと案内する。