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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第11章 忍び寄る過去の影-千弥の決断

安心させるように、蓮さんは私を抱き締める。そろそろ本気で薬が効き出し意識朦朧な私。支えられるがままに、私は蓮さんにすり寄る。

「仕事……探さなきゃ……ここに居られるように……仕事を見つけて……」
「今は気にしなくて良いよ。それに元々千弥たちから食費を貰うつもりは無かったからね。ずっと好きに住んでいればいい……千弥」
「蓮……さん……私……」
「薬の作用だね、こんなに強い薬を……。少し横になろう千弥?」
「???」

フワッと宙に浮く感覚、そして蓮さんが歩く振動、それを感じながら虚ろな私はベッドの上に下ろされた。

「この部屋……」
「追いかけで陸も帰って来るだろうから、広いこの部屋にしたんだよ」
「私を縛るの? 私を犯すの?」

ベッドから見えるのは、私を繋ぐ鎖、私を縛る縄。……あぁ、ここはプレイルームだったよね。蓮さんと陸さんと三人で一緒に居られる部屋。でも見える鎖と縄、それは九鬼が私を拘束した物。

「縛りもしない、犯しもしない、ただこうして一緒に居るだけだから、千弥は安心して眠ったほうが良い」
「眠る? そう眠れば……眠る時だけは自由だもの」

そうよ、眠ることだけが私が縛られない方法。夢の中は誰も犯さないから。
薬の力もあり、強烈な眠気が私にやって来る。だから眠ろう? 眠りの中で自由になろう? 今の私はそれしか出来ない……。

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