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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第11章 忍び寄る過去の影-千弥の決断

◇◇◇
深い深い闇の底、そこはかつて私が眠り逃げ込んだ場所。音も光も無く、ただ丸くなって永遠とも思える眠りに付くだけ。
だって私が居なくても、違う私が代わりをしてくれる。私のようで私じゃない、もう一人の私が九鬼の相手をするから、だから眠るの。この闇の底だけは私の自由、侵食されない安住の地……そのはずだったのに。

そんな私を揺り起こしたのは誰? もう一人の私をここに置き、眠っていた私を引き上げたのは誰?
あぁ、初めはお医者様だよ、薬で私を呼び起こしたの。起こされた私は恐る恐る外に出た、でもそこは九鬼の監禁場所とそんなに変化は無い。鍵が掛かった病室、自殺防止の為という手首への拘束、大量の薬で意識朦朧。責められたり犯されないだけマシだけど、ここにも私の自由なんて無かった。

(戻りたい闇の底へ……)

そう思うのに、薬たちが邪魔をして私を離してくれない。無理にでも表に出された私は、人を見るたび更に臆病になった。男性でも女性でも、私に近づく人はみな怖い、少し間違えば九鬼と同じことをするかも知れない。

そしてまた……。
私は鎖と縄がある部屋の住人。使わないと言うけれど、私はいつか使うと思う。
ねぇ、もう一人の私?
また暫く私の代わりをしてくれる?
私はここで眠っていたいの、全てを忘れたいの、九鬼から逃げたいの。
そうすれば……ほら、もう一人の私が現れる。でも前と違う?

『ねぇ、それで本当にいいの千弥?』
「……え?」
『あの二人は信用出来る、それは千弥が思ったことじゃない』
「二人……蓮さん、陸さん……」

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