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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第4章 千弥と蓮

シャワーを使って、しっかりと化粧を落とし保湿した頃には、蓮さんの料理が出来上がっていて、私はテーブルに付いて美味しい料理を食べるだけの状態。
幾ら得意でも、これで良いのかなとは思う。やっぱり家事は分担制のほうが落ち着かない?
「洋食にしてしまおうとも考えたけど、方苦しいから日本の中での洋食にしてみたんだよ」
「シチューやロールキャベツは日本ですよね?」
「まぁ、日本人向けにアレンジしてあると言ったほうが良いかな? 似た洋食はあれど全くの別物、日本だからこそ馴染むんだよ」
「ですね。子供の頃から食べている味のほうが馴染みますし……」
「メインの白身魚の香草焼きだけが本当の洋食、こんなのも面白いね」
「町の洋食屋さんみたい」
普段食べている物に少しだけ違った物、そんなメニューがあるのが洋食屋さん。フレンチレストランとは違う、どの町にでもありそうな大衆的な洋食屋。私も子供の頃に親に連れて行って貰った記憶があるもの。
「洋食屋……今はそのほうが流行るかな? そんなコンセプトの店もアリかも知れない」
「蓮さんは、食べながらも仕事のことを考えているんですね」
「食が仕事だよ俺は。こうして作って食べてヒントを得る。そんなことも大事だね」
「私は……どうなんだろう。仕事とプライベートは切り離して考えてるかも」
好きでも、自分の時間まで仕事は考えたくない。……ほら、考えるから思い出しちゃった今日の凡ミス。あれは自分でもナシだと思ってる、それだけ落ち込んだということだよね。

