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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第5章 不安

悶々とした気持ちを持ちながら待ち、陸が帰って来たのは19時半過ぎ。聞けばタクシーで先回りをして帰宅したらしい。
千弥にバレるのは不味いからと、陸は着替えのために部屋に引っ込み、俺は漸く料理の仕上げを再開。
そんなことをし、陸がリビングに顔を出した20時手前で、漸く千弥が帰宅して来た。
「お帰り千弥」
「おかえりー千弥、僕待ち過ぎてお腹ペコペコ」
「ただいま。ご、ごめんなさい、先に食べていても良かったのに。すぐに着替えて来ますね」
慌てて部屋に入って行く姿は、朝とは違いいつもの千弥だと思う。色々と陸に聞きたいことはあるが、千弥が戻って来るために今は我慢。
タイミング的にそろそろだと思い、サイコロステーキを焼いていれば、軽装に着替えた千弥がリビングに顔を出した。
「本当に遅くなる時は、先に食べて下さい。私のほうが困ってしまうから」
「一緒が良い……なんて言うけど、僕も昨日は食べられずだったし、時間は決めよう?」
「それも良いね。俺は比較的早くマンションに戻って来れる時と、終日帰れない日があるから……そう19時までに揃わなければ食べてしまう、これでどうだい?」
焼き上がったステーキを置き、俺が提案した反応を注意深く眺める。どちらも納得顔、そう見えるが?
「普通はそのくらいの時間だと思う」
「僕も同意見、ダメな日は19時でも帰れないから、それで良いよ」
「極力用意はするけれど、俺がダメな時は自炊でね。それくらいの食材はつねに入っているよ」
どうしても、細かいルールは後々必要になってくる。
三人で同居なのだから、不都合が出るのは当たり前というところとも言う。

