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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第2章 始まりは桜の下で……

11時、尾上さんがオフィスにやって来た。
長身でイケメンタイプの尾上さんだから、女性社員のウケは良い、そして尾上さん自身も気楽に話すので、人気はうなぎ登りという感じ。草食系ぽい小野寺さんとは、また違った人気だよね?
うちの部署のほとんどに挨拶回りをしてから、会議室に入って来る尾上さん。この依頼は私も少し携わっていて、私も会議室で小野寺さんと一緒に待機してた。
「やあ、すまないね。来ると毎回……」
「尾上さん、人気高いですから」
「くすくす……そうですね」
恒例行事はさておき、ここからは仕事の話。
私たちが空間を、尾上さんは料理をお客様に提供する、勿論そこに妥協なんてない。
「指摘されていた照明ですが、上に発色系に加え足元には淡い間接照明を接地。尾上さんのリクエスト通り、お客様より料理をよりライトアップする仕組みに替えましたがどうでしょうか?」
「上の照明はLEDライト?」
「はい。邪魔にならない程度の白色LEDです」
作製した資料を見ながら、尾上さんは提供される料理と合うか思案している様子。料理のサンプルは見たよ、どれも細部にまでこだわった盛り付けで、私でさえ感動した。……素材は普通でも、こんなに変わるんだって……。
「間接照明は悪くないかな。上の照明は光量を自由に調節出来るようにしてくれれば、コース料理に合わせて変えられると思う」
「個別に調節機能を付けますか?」
「それが望ましいのでは?」
「分かりました、早速手配します」

