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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第6章 千弥と陸
そして聞かないと言ってくれる陸さんが、私にとってどんなに嬉しいか分からないでしょう?
普通、なにかがあると暴きたくなるもの、それなのに私の自由にさせてくれるなんて……。陸さんが優し過ぎるよ。
「本当にありがとう……陸さんが居なかったら、私はどうなっていたか……」
「蓮も居れば良かったんだろうけど、今日は僕でね?」
「……うん、安心する」
さりげなく陸さんの逞しい胸に手を回す私、陸さんの優しさに気が抜けてしまいそう。
陸さんも、蓮さんも、私にやさしい。男性はもっと怖いものと思っていた私に、優しさを教えてくれたのは、陸さんと蓮さん。二人は私の宝物なの。
「このまま眠ってしまいたい」
「千弥それはちょっと……。逆上せるし、僕が保たないんだけど」
「保たない?」
「…………千弥に触れているだけでその……思いっきり欲情していたり……。
あぁ! 無理に抱きたいなんて思ってないから!」
「……くすっ。
良いよ陸さんだったら。でも本当の私を見て、嫌いにならないで欲しい」
「嫌いになんかなるわけがないっ!」
「……あっ……ん……」
見上げれば触れる唇。風呂のせいなのか、陸さんのせいなのか、凄く熱い。
触れ合う唇は、陸さんの性格のように優しい。軽く触れ、すぐ離れ、また触れる。私に負担を掛けさせないような甘いキスの繰り返し。
「千弥、大好き。
入社した時からずっと好きだった、僕は千弥しか目に入らなかった」
「陸……さん……」
「1年千弥ばかりを追いかけて、漸く僕の腕の中に居るんだね」