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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境

蓮の話通りに豹変する千弥の性格。
消極的な千弥と、積極的な千弥。普段は消極的なほう、それがいつも僕が見ている千弥。……でも昨日の夕方に見た千弥は、同じ消極的でも常軌を逸していたと思う。
ベッドの隅で震え、僕の言葉すら聞こうとしない。あんな千弥は初めて……いや、蓮が千弥を抱いた次の日に、近い状態を見なかった?

(そう、僕たちを避け、1日中具合が悪そうで、最後には病院に行っていた)

そうだ、昨日の千弥も『薬を飲んだ』そう言っていたよ。確かに千弥の部屋の中には薬が散乱していたし、心療内科の薬だとしたら、強い精神安定系の薬……。
だけどそうなった理由は? 昨日の千弥は普通にマンションを出たと思う。とは言っても、僕は寝ていたけど。

(外でなにがあったの? ねぇ……千弥……)

眠り乱れる髪を直しながら、僕は千弥の不安定さに付いて考える。
蓮は過去に、あんなセックスを強要されたんじゃないかと言ってた。僕でも少しは分かる、人って同じことを繰り返されれば、それに慣れてしまうものだって。
じゃあ千弥は、その過去の男にずっとあんなセックスを強要されていたことになる。それって最低じゃん!

「…………んっ」

あ、いけない、髪を直していたら千弥が目覚めてしまった。

「おはよう千弥、身体大丈夫?」
「??
私……昨日……。ごめんなさい陸さん」
「どうして謝るの? あれが千弥の望みだったんだよね?」
「違っ……うんん、私がそう望んだんだよね。……そう望んだんだ」

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