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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境
「蓮の朝食のようにはいかないけど、僕なりには頑張ったほう」
「蓮さんはプロだもの」
「それ、昨日僕も言ったよ」
「そうだったね。ということは、私と陸さんって同レベル?」
「千弥のほうが上手いと思うけどなー」
「り、料理は……ね、自信がないの」
「同じく……」
昨日と同じやり取り、だけど今日は楽しく感じるんだ。それは千弥が普通にしていてくれるから、楽しく思うんだよ。
少しの変化でも、千弥のことは全て見ていたい。千弥が好きだから、1つも逃したくないんだ。
「こんな朝食も良いね陸さん?」
「最近は蓮任せで、朝から豪華だったから。僕はこっちでも構わないんだけどな」
「私も。独り暮らしの時はこんなものだったよ?」
「僕はコンビニでおにぎりばかり、だけどそれが当たり前だと思ってた」
「そうだよね、私もそれが普通だと思う」
「でしょう!」
このラインの認識は僕も千弥も同じ、それは1年以上同僚をやっているから、よく分かってる。
同い年で同期入社に加えて部署も一緒、それだけ僕は千弥を見て来たんだよ?
「ごちそうさま、ありがとう陸さん。皿は食洗機に入れとけば、帰って来るまでに乾燥しているから」
「ほーんと便利」
「くすくす……」
あの豹変した千弥も嫌いではないけれど、僕としては今の千弥が好きだ。
僕には普通に話をしてくれる千弥が、僕だけ心を開いてくれたこの千弥が好き。
ノロケじゃない、凄く努力して今の関係を築いたんだ、それが嬉しいって千弥に気づいて欲しいよ。