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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第7章 蓮と陸の心境


幾らあんなことがあった後と言っても、今日は週明け月曜日、当然仕事がある。
会社に着いてからの千弥は、いつも通りに仕事をこなしてる……相変わらずマーケティングから離れようとはしないけど。

そんな平日の昼休み、毎度のごとく千弥を誘い社食に行こうとした時、珍しい人物に僕は呼び止められた。

「よぉ、小野寺、たまには俺と飯に行かないか?」
「武田? なに、おごってくれるの?」

僕に話し掛けて来たのは、武田陽介(たけだ ようすけ)、僕や千弥と同じ同期入社で比較的仲良くしている同僚、千弥は武田には全く近寄らないけどね。

「毎日毎日『三苑さん』だからな小野寺は、少しは俺にも付き合えよ。あぁ、しっかりおごるぞ?」
「おごってくれるんだったら良いよ」
「ほんじゃあ行こうか」

千弥が気になるよ、だけど同僚の付き合いだって仕事の内。未練はあるけれど、僕は武田との昼飯に付き合うことにした。

「で、少しは進展があったのか?」
「進展?」
「彼女が好きなのは丸分かりだぞ小野寺」
「進展……かぁ……。あるにはあったけど、これってどう言えばいいんだろ?」

おごりということで、僕は普段は選ばないガッツリ系の肉定食、武田はカツカレー? 結局どちらも肉選択。
それよりも、千弥と今の関係をどう説明すればいいのやら。

「見事玉砕したか?」
「どうしてそうなるんだよ」
「最近の三苑さんは、小野寺にもあまり近寄らないからな」
「そういうわけではなく……。アタックはしたよ、頷いてもくれた。ただ……」

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