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満員電車
第6章 解放
「…さん」


……??声?


「…ナさん」


……??呼んでる…?


「…………カナさん!」


……えっ!?私の事?


「カナさん!起きて」


課長はカナの顔を覗き込んで、カナを起こした


カナは意識を失い、そのまま眠ってしまったのだ

「…雅治さん、私…」


「気を失ったんだよ。
ごめんね…。
僕、明日会社に出なきゃならないから、今から家まで送らせて」


カナはコクンと頷いた


ベッドから降りるのもフラつき、柵に捕まる必要があった


ふと、そばにあったゴミ箱に目がとまった

その中には、精子がたっぷり溜まったコンドームが捨ててあった


…雅治さん、私が意識無くしている間にイッたんだ…

カナの気持ちは複雑だった


それに気が付いた課長は、照れ臭そうに笑った


「ごめんね。カナさん意識無い間に、いろんな事しちゃった…」


…いろんな事??…



腑に落ちない気持ちのまま洗面所で着替えを済ませ、ぐちゃぐちゃになった顔を洗い、軽く化粧をしてホテルを後にした


……………
課長の車の中で、カナは睡魔に襲われた

あまりに体力を使い果たし、グッタリしていた

「カナさん寝て良いよ。
ちゃんと家まで送るから」

カナは安心して、課長の運転する姿をうっとり見つめながら、寝てしまった


…ウト…ウト…ウト…
………………………


「カナさん、着いたよ」


「あっ、ありがとうございました!」


課長はシートベルトを外すと、カナを抱き寄せキスをした…


「おやすみなさい」


課長の車が見えなくなるまで、カナは立っていた

…バタンッ


「ただいまぁ~…」


…ドサッ!


カナは真っ先に、ベッドへ横たわった


カナが時計を見上げると、針は午前4時をさしていた…

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