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満員電車
第6章 解放
同時に果てた2人は、後始末を終えて身支度を整えた


「雅治さん、戻りますね。早く戻らないと怪しまれちゃうから…」


カナは仕事モードに切り替えて、課長に一礼した

その瞬間…


…ギュッ!!!


課長はカナを力いっぱい抱き締めた


…!?雅治さん…


「…こんな事してごめん…
カナさんが欲しくて欲しくて、たまらなかったんだ…

許してくれるかな…」


カナは、大好きな課長の言葉に胸がキュンとして嬉しかった


カナも課長を抱きしめ返して、ゆっくり頷いた


「…雅治さんの事が大好きだから、何されても構わないです…」


課長はこのカナのセリフを繰り返した


「…何されても…??」


「…はい。」


「ありがとう…。
凄く嬉しいよ、カナさん…」


課長は更に、カナを強く抱き締めた


その顔には、不適な笑みが浮かんでいた…



カナは、幸せな気持ちに浸りながら会議室を後にした


オフィスに戻ると、同期の平井直哉が声をかけてきた


「カナ、どこに行ってた?
もうすぐミーティングだぞ!!」


「あっ、ごめん直哉。
課長に呼ばれてて…。」


カナは直哉には嘘はつけなかった


入社以来何でも相談し、打ち明けられる仲だった


「課長がお前に何の用だったんだ?」


「えっ!?…こっ、この前の仕事のミスについて、みっちり叱られきました」


…さすがにさっきまで課長とエッチしてたとは言えない


カナはペロッと舌を出し、おどけたリアクションをした


「そうか、大丈夫か!?」


「ヘーキだよ!!これくらい。いつもの事!
さぁ、ミーティングに行こう」


いつも気を使ってくれる優しい直哉

なかなかの体育会系のイケメン

最初の頃は直哉を良いと想う時期もあったが、彼女の存在を嬉しそうに語る彼に、その気持ちはいつの間にか消えてしまった…
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