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満員電車
第7章 罠
カナの気持ちはどんよりしたまま、出張当時になった


東京から福岡まで飛行機で移動する


空港で合流し、課長から渡されたチケットの席は、直哉の隣だった


…何で直哉なの…


課長と並んで座りたかったカナは、更にへこんでしまった


直哉とも、あの日以来口もきいていなかったのだ


機内に乗り込み、カナが右側の窓際へ座った


課長はカナの前の座席だった



エコノミークラスの座席は狭く、直哉との距離が近い事を不快にさせた


「…すみません!」


CAに、毛布と新聞を下さいと頼む直哉


…直哉寒がり??


疑問に思いつつ、飛行機はやがて離陸した


…………………………

早速カナは、今日の得意先の資料に目を通した


カナが懸命に資料を読んでいると、直哉が耳元で囁いた


「…会議室でのカナが、忘れられないんだ…」


…カァァァァァァ!


直哉の一言で、この間の出来事を思い出し、思わず赤面するカナ


ぼんやり窓の景色を眺めながら、直哉との出来事を思い返し、興奮してきてしまった…


「カナ、寒いだろ。毛布使えよ」


直哉はカナのスカートの上に、毛布を掛けてくれた


「あっ、ありがと」


…直哉は優しいな…


と、カナが思った矢先、毛布の中に直哉の手がゆっくり入ってきた


…!?直哉!?


「…直哉、ダメだよ…」


カナは小さな声で、直哉に言った


「大丈夫、課長寝てるし、毛布で他の人にも分からないよ…
少し触らせて…」


カナは、あそこがキュンとしてしまった


…触って欲しい…
…こんな場所で、いやらしい事したら興奮しちゃう…


痴女である自分に、スイッチが入ったカナ…


「…すっ、少しだけだよ…」


直哉はニヤリと笑った
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