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第11章 本気です

日曜日は夕食を食べたら優誠が私を家の前まで送ってくれる。このケジメは私がわがままを言わない限り必ず優誠が付けてくれる。

だから私は優誠に従う。どんなに寂しくても優誠に従うのが私にとって一番良い事なんだと私にはわかる。

『ちゃんと、いい子にしてろよ。』

優誠はそう言って私にキスをしたら帰ってしまう。この瞬間が一番寂しいけれど私は明日からまた優誠の会社でバイトだし優誠は当然お仕事だ。

自分のやるべき事をちゃんとしないと周りの人は私達を認めてくれないって最近の私には理解が出来るようになった。

家に帰るとママが居た。

『パパから聞いた。ママは絶対に行くからね。』

なんか変にママの気合いが入っていた。

『好きにすればいいよ。』

私はそうママに答えた。いつもなら私は仕事の鬼であるママが怖かった。お医者さんでキャリアウーマンなママには私は絶対に勝てないただの子供だったからママに口答えとか絶対にした事がなかった。

だけど今の私は怖くない…。優誠が居るのだから私が怖がる必要なんかは絶対にない。私は明日の為にお風呂に入って早めに寝る。だけど幸せでハードな週末にちょっとだけ疲れていた私はすぐに寝てしまった。

翌日の私はバイトの日、いつも通りに結城さんのお迎えだと思っていたら今朝は知らない人が結城さんと一緒に居た。結城さんが私に

『大久保です。』

とだけ言って来た。

なるほど…。優誠が結城さんだけでは適当過ぎる私の面倒は無理なのかとあの時に佐伯さんに言ったからわざわざ九州から呼ばれた人なんだ。

どんだけ優誠って過保護なのかしら？

と私は少し呆れた。坊主頭でちょっと目つきが悪い感じの大久保さんが

『ボンの彼女ねぇ…。本部当番よりはいいけど…。』

と私をチラ見しながら言った。途端にいつも優しい顔している結城さんが

『大久保！！黙れ！！』

と凄くキツい顔で大久保さんを怒鳴った。私は結城さんでもこんな怖い顔をする事があるんだと少し驚いた。

出勤すると結城さんは大久保さんには車に残れと言ってから私と社長室に向かった。今朝は珍しく社長室には優誠と佐伯さんの２人が居た。