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一秒に見えた世界
第12章 俺の言う事を聞け
パパは私のベッドの横にひいたお布団から私に話しかけて来た。

『美奈は彼とは結婚とかしたくないの?』

そのパパの質問に適当をする訳にはいかない私は真面目に考えてから

『優誠は好きだよ。でも優誠と結婚をするには私は多分まだ子供過ぎる気がするの。』

そう答えた。パパは少し安心したように

『美奈がわかっているなら大丈夫だね。美奈はもう少しだけ僕の娘でいてね。』

と言った。だから私は明日はパパを駅まで送ると約束して眠っちゃった。

翌日の私はパパと食事をしてからパパを新幹線の駅まで送った。パパと別れてから

私は今からどうしよう?

とか考えていると

『美奈様。』

と何故か結城さんから私は声をかけられた。

『結城さんだぁ。誰かを新幹線に送って来たの?』

と私が聞くと結城さんは微妙な顔をして

『私は社長から言いつかって美奈様をお迎えに上がりました。』

と私に言った。

もしかして結城さんは優誠と同じで私を見張っているの?

とか私は思い始めた。

家に迎えに来るのならともかく、ここは新幹線の駅…。

私は昨夜急にパパを駅まで送ると決めたはず。偶然とかでない限り結城さんは家から私をずっとつけていたとしか考えられない。

とりあえず社長からと結城さんが言った以上は優誠が私を迎えに行けと言った事になるから私は早く行かないとまた優誠が不機嫌になる。

私は今はあれこれ考えずに駅を出て結城さんと車へ向かった。

車には大山さんが待っていた。私はその車で優誠のマンション前まで連れて行かれた。

部屋に入るとリビングにスウェット姿でソファーに優誠が寝転がっていた。

既に優誠は不機嫌モードだった。私が横に座ると優誠から

『遅せぇよ。』

がまず始まった。パパ達の前とは全くの別人だとか私は思った。瞬間、起き上がった優誠に私はいつものデコピンを受けた。

『いきなり、それは酷くない?』

私は痛みが走るおデコを手で押さえて優誠に言う。優誠は不機嫌なまま

『余計な事考えるな。』

と言い出した。
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