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一秒に見えた世界
第14章 俺が一番
後は次の木曜日の話しだった。空は

『優誠さんは誕生日をお祝いしてくれないの?』

と聞いて来る。

『だってどうせ優誠は平日は仕事だし私は誕生日を教えてないから優誠は普通に空達と遊びに行って来いって言ってたよ。帰りだけはお酒を呑むって言ってあるから迎えに来てくれるけど…。』

と私が説明すると空達は私の酔っ払い事件を2度も経験をした優誠ならば絶対に迎えに来るというのは当たり前だと言って呆れていた。

後は普通に退屈な学生生活だ。水曜日にはやっと私の首筋のマーキングは消えてくれたから私は少しホッとした。

そして水曜日の夜、私がそろそろ寝ようと思っていたら突然に優誠から電話が来た。

『起きてるか?』

『今から寝るところ。』

『10分でいいから家の前に出て来い。』

とか優誠が言い出した。

私はもうパジャマなのに…

とか考える。仕方がないから私はパジャマを脱ぎワンピースに着替えて家の外に出た。

私のマンションの前の道で優誠がベンツの横に立っていた。

1度、家には帰ってからわざわざ来たの?

そう思った私は優誠に

『こんな時間になんかあったの?』

と聞いた。優誠は私の質問には答えてくれずに私の顎を掴んで私の顔を軽く上げて来る。そのまま黙って私にキスをして来た。私の口の中にはすぐに優誠の舌が入って来る。

濃厚で本格的なキス…、こんなところでこんな時間にそんなキスはなしだよ。

私はそう思ったけれど優誠は簡単にはキスを止める気配がない。私の身体の力が抜けて優誠に寄りかかったらやっとキスが止まった。優誠は私の顔を指先で撫でながら

『誕生日おめでとう。』

と言って来た。

え?なんで?優誠が私の誕生日を知っている?

驚いて私は優誠を見た。

『学生証に書いてあるだろうが。』

と呆れたように優誠が私の疑問に答えた。

ああ…、そうでした。私が酔っ払って優誠に就活した時に私の学生証を見せていました。

あの時の事は早く忘れたい私は

『それ言う為にわざわざ来たの?』

と聞くと優誠は

『俺が一番じゃないのはいやなんだよ。』

と言って私の顔や首筋にキスし始めた。
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