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一秒に見えた世界
第16章 親子って難しい
そんなパパ達に優誠は完全にため息だ。ただ大翔さんだけが

『優兄、さっさと結婚を決めてくれよ。俺だって早苗との結婚の予定を優兄のせいでずっと待たせてんだからな。』

とか言った。優誠の言う通りこのままでは私達は無理矢理に結婚式をするという流れになりかねないと私と優誠は逃げるようにして帰る事にした。

帰りの車では私はぼんやりと考える。

親子って難しい…、そんなレベルを遥かに越えた親子ってどうしようもないじゃん?

とひたすら私は考えてしまった。

優誠の部屋に戻ると優誠が

『俺、まだ仕事を残してんだよ。後で結城を迎えに越さすから美奈は家に帰るか?』

と私に聞いて来た。私は明日はまだ日曜日だしここで優誠を待つと答えた。優誠は帰りは夜中になると言ったけれど私は優誠を待つ事にした。

夕方に私達の荷物を持って来てくれた結城さんに私はスーパーへ買い物にだけ連れて行ってもらった。優誠は無理だけれど私は1人でサンドイッチを作って夕食を食べた。

私が寝ていたら深夜になって優誠が帰って来た。ガタガタと凄い音がして寝ていた私はベッドから飛び起きた。私が見に行くと玄関の廊下には優誠が座ったまま寝ていた。

私が優誠を起こすと優誠はかなりお酒臭かった。またしても酔っ払いの優誠だと私は少し呆れた。

私には仕事って言いながらお酒を呑んでたんじゃん。

と私は少し不機嫌になった。

とりあえずは優誠のスーツのジャケットを私は無理矢理に脱がせた。

そのスーツのジャケットからは何かが床にポロリと落ちて来た。私はそれを拾ってから固まった。それはいわゆるコンドームだ。

固まったまま私は優誠に再び怒りが湧いて来た。

仕事とか言いながらお酒を呑んだ挙げ句に私には絶対に避妊をしないって言った優誠が他の女の人とはしっかりとゴムを使っているの?

てか水原パパの言う通りで本気じゃなければ何人か他の女を作ろうってつもりなの?

私はそうやって色々な事を考えながら廊下で寝ている優誠に布団だけを掛けた。
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