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一秒に見えた世界
第19章 だって…忙しいんだもん
連休が明けた学校でも私がお土産を渡した空と里美が私の指輪を見て笑う。

『確かにマーキングされるよりかは指輪の方が良いけど優誠さんだから笑えるわ。』

と言っては私を馬鹿にする親友達。

せっかく高いお土産をわざわざ頑張って優誠におねだりして来たのに…。

と私はぼんやりと考えるけれども私が優誠にはあまりにも適当過ぎると空も里美も言うのだ。

だから優誠が私にはムキになるらしい。

一応、私なりに優誠には適当してないつもりなんだけれど…。

とか私は再びぼんやりと考えてしまう。

だけど里美が

『ほら、すぐにこれだから…。』

と言い、そして空が

『美奈は違う世界にいる子だからね。』

と言ってすぐにぼんやりと考えてばかりいる私に呆れていた。

それよりも…!

と私達は近々に学校で行われる文化祭の話しになった。里美のところは模擬店でたこ焼き屋さんをするらしい。

うちの短大ではゲストに芸人さんを呼んだり割と派手な文化祭をやる学校だ。開催予定日は土日だけれど一応、招待客に対しては学校からは厳しく言われたりもする。仮にもお嬢様学校だから学校に相応しくない変な人は呼べないのだ。

里美が

『優誠さんを呼ぶの?』

と聞いて来る。私は

『わかんない。』

とまた適当に答えてしまう。私と空のクラスはメイド喫茶をやる予定にしている。空はお料理の担当だから私は空の助手になる。だから文化祭までの2週間を私はありえないくらいに忙しくなるのだ。

まずは少し早いけれど試験の準備がある。試験はそこそこの成績ならば大丈夫だけど当然、1部の科目には課題のレポートが発生する。それらと戦いながらメイド喫茶のメニューや看板のデザインを考えたり作ったりと大変な日々を送る事になる。

週末になって優誠が私に連絡をくれた。

『明日はどうする?』

『ごめん、学祭の買い出しを頼まれているから夕方からしか無理だよ。』

携帯の向こうでは不機嫌モードになる優誠がわかる。

『電話しろ。すぐ迎えに行くから。』

と言ってすぐに電話は切られた。明日は土曜日…、社会人の優誠には週末しか時間がなかなか取れないから不機嫌になるのはわかるんだけれど忙しい私は空達の言う通りに確かに優誠に対して適当になっていた。
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