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一秒に見えた世界
第20章 時々…お前がわからねぇ
その後は学祭を優誠達と見て回った。良二さんが空を美人だと言って口説いていたけれど空は

『私みたいな学生の子供は大人の良二さんには似合わないです。』

と言ってきっぱりと断っていた。

やっぱり空って私とは違ってしっかり者だと私は感心をした。

私だとすぐにパニックになってしまってアタフタとするだけなのに…。

そんな事を私はぼんやりと考えた。そうやって学校内をウロウロと歩きながら突然、優誠が私に聞いて来た。

『さっきはなんであんなに怒っていた?』

それは由良の時の話しだと私は考えた。

私がなんとなくと答えるとまた適当だと言って優誠には怒られそうだし…。よし!

と決めてから私は

『もう卵を割りたくなかったから。』

と笑顔で優誠に答えた。なのに優誠は私に

『適当に言うな!』

と言って私にデコピンを入れた。空はそんな私を見て笑っていた。学祭が終わって私は優誠に家まで送ってもらった。空と里美は佐伯さん達が送って行ってくれた。

私は優誠に

『次の週末は一緒に居れる?』

と聞いた。優誠は

『土曜日はゴルフ接待があるから昼間は無理だが夕方には出来るだけ早く帰るよ。』

と言った。だから私は優誠の部屋でご飯を作って待つ事にした。

学祭が終われば私は平凡な生活。今の私は週末に優誠と過ごす事だけが目標の女だ。

土曜日になり、張り切っていた私はご飯の用意も完璧に出来た。私は早めにお風呂も済ませた。優誠が私との約束通りに早く帰って来てくれた。

2人でご飯を食べて片付けてリビングで優誠がバドワイザーを呑む。私は今夜は見たい映画がテレビでやっているからと優誠の膝に乗ってそれを見ていた。

今夜はヴァンパイアと普通の女子高生のラブロマという映画。映像が綺麗でヴァンパイアの男の子がありえないくらいに女の子を大事にしているという女の子には憧れちゃう恋愛のお話。

『ひゃー。女の子が可愛い。』

と映画のキスシーンの女の子が凄く可愛いくて思わず私はそう言ってしまった。そしたら優誠が優しい顔で

『お前の方が可愛いぞ。』

って言って私にキスをしてくれる。せっかく映画を見ていたのに優誠のキスはもう本気だ。映画よりも濃厚なとろけるキス。私の舌に触れて来る優誠の舌。
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