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第21章 格が違う…

どんなに私が嫌がっていても朝はやっぱりやって来るのだ。だから私は開き直るしかなかった。白のＶネックのロングセーターに茶系のショートパンツ。大きめの赤いショールを羽織ってから優誠に聞いてみる。

『これでいいかな？』

優誠は優しい笑顔で

『動き易いからそれで充分だろ。飯とかどうせ園内のレストランだし。』

と私に言ってくれた。優誠はシンプルなファッションでざっくりと編まれた黒のＶネックセーターに黒のスラックス。最近は夜が寒くなって来たからと革ジャンを手に持って家を出た。

家を出る前に玄関では私はちょっとだけ気持ちがはしゃいでいた。私が履いたのは洒落たショートのウェスタンブーツ。シンガポールの市場で私が見つけてしまい可愛いかったから優誠に買ってもらった私のお気に入りのブーツなの。

革が意外と軽くて柔らかいから小さな私にでも歩き易いブーツ。優誠の車で駐車場から出るとマンションの前には佐伯さんの運転で空がレクサスの助手席に居るのが見えた。

私が空に手を振ると空も私に手を振ってくれた。

そのまま私達は車２台で由良達との待ち合わせ場所に向かった。待ち合わせは８時に高速の入口前。

待ち合わせに着いた私に由良が

『向こうに着いたら９時は過ぎるから多分駐車場とか満車だよ。だから時間に適当な人って最悪。』

と言って来た。でも佐伯さんがのんびりと

『例え適当でもそれをカバー出来るだけの力があれば余裕だよ。』

と由良に言った。私も由良も佐伯さんが言った意味がわからなかった。優誠はただニヤニヤとしているだけだ。

美鈴が何故か佐伯さんに赤い顔をした。

やっぱり今回集まった男の人の中ではダントツで佐伯さんが美男子決定って感じだ。

佐伯さんは普通にＴシャツにジーパンに革ジャンだったけれどファッションモデルが出来そうな感じであの優誠が地味に見える。

由良の彼氏は学生だからダンガリーシャツにジーパンにジャンパーと優誠達に比べれば当然だけれどちょっと子供っぽい感じに見えた。

由良と美鈴は車は一台で来ていた。それは美鈴も美鈴の彼氏も車がないからだ。

この段階では美鈴の彼氏は最下位決定だと空がクスクスと笑った。私達は高速道路に乗って有名なテーマパークへと向かった。