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一秒に見えた世界
第9章 バイトじゃない気がする
次の日は私が起きたらもう優誠がいなかった。いくら疲れていたとはいえ私は寝坊してしまった自分に私はかなり凹んだ。優誠は多分、私を起こさないようにと気を使って静かに出て行ったんだ。しかも私が起きたのはもう10時だ。

私ってダメな女の見本市のようだ。

凹んでいる私の携帯が鳴り出した。慌てて出たら結城さんだ。

『おはようございます。お迎えのお時間は何時がよろしいですか?』

と結城さんは私に真面目に聞いて来る。私は1時間後をお願いした。起きたばかりだというのに私は泣きそうになった。さすがに今は自分の適当主義を呪った。

だけど、いつまでもへこたれていても仕方がない。ここは適当主義の本領発揮で私は家に帰る準備をして迎えに来た結城さんの車に乗り込んだ。

私の家までは30分、私は結城さんに聞いてみた。

『結城さんはお盆休みは休まなくて良かったの?』

そう聞いた私に結城さんが少し困った顔をしてから

『会長の命令ですから。』

と答えた。

『会長って誰?』

『社長のお父上で剣菱コンツェルンの総裁に当たるお方です。』

…?えーっと…

私はコッソリと携帯を出して検索する。

剣菱コンツェルン…、剣菱コンツェルン…。日本の財閥企業とかなんとか?うぎゃ!?要する、あの怖い優誠より更に怖い立場の人じゃん!?

私は1人でプチパニックになって行く。きっと今の私はムンクの叫びのような顔になっているはずだ。

肉体的にも精神的にも私はフラフラになって私は自分家に着いた。家に入ると今度はママが私を打ちのめしてくれた。多分、私が居ない間にママは一応お盆休みがあったらしい。

家の至るところにママの脱ぎ捨てた服や食べ散らかしたお弁当の空のケースが落ちていた。

『なんでママってこうなのよ。』

だからパパはママと離婚したんだと、さすがに私は理解してしまう。私は疲れているというのに家中を掃除する羽目になった。

優誠の部屋は週に3回ハウスキーパーさんが掃除に来てくれている。だから、いつも綺麗だ。私は今すぐにでも優誠の部屋に帰りたくなった。

でも私が居たら優誠の仕事の邪魔になっちゃう。

私はまた泣きたい気分になった。
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