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一秒に見えた世界
第9章 バイトじゃない気がする
夕方には私は完全にバテていた。だから夕食はコンビニでまたサンドイッチとリンゴジュースを買って来て食べた。やっぱり私は1人だと適当だ。温める必要もお湯を入れる必要もないサンドイッチは私の定番メニューだ。

夕食を済ませたらお風呂に入ってシャワーだけで済ませる。後は明日の為に目覚ましをセットしてからベッドに入ると私はすぐに寝落ちていた。

翌朝はしっかりと起きて、またしてもサンドイッチの朝食。歯を磨いて顔を洗ってからメイクをする。優誠が文句を言わないように私なりに丁寧に気を付けながらメイクをした。

スーツに着替えたらもう8時。8時半には結城さんが迎えに来てくれる時間だ。私のバイトは朝10時から昼の3時までを優誠の会社に居て、そこからはゴルフの打ちっぱなしに1時間は行けと優誠からは言われていた。

バイトは週3日。後の日はいつも通りにエステに行ったり友達と遊んだりしても良いって全て優誠が決めてくれた。

『よしっ!!』

私は気合いを入れて8時20分には家を出た。いつものように結城さんがレクサスでお迎えに来た。

『おはようございます。』

私から挨拶をしたら結城さんが驚いた顔をした。優誠の会社には予定の30分前には着いた。またしても私は結城さんに社長室へと連れて行かれた。

前回、私に紅茶を入れてくれたお姉さんが

『秘書課のチーフ、秋元です。長谷川さんには社長のお茶を担当して頂きます。』

と言われた。つまり私は優誠の為にお茶を入れるバイトなんだと理解した。秋元さんの説明では優誠が飲んでも飲まなくても社長室に来たら黙ってコーヒーを入れるらしい。お昼ご飯の時だけ、これも飲んでも飲まなくても必ず緑茶を用意するとか…。

優誠って会社では結構わがまま?

とか私は考えてしまう。飲まないのなら人にわざわざコーヒーとか入れさせる必要とかないじゃんって私は単純に考えてしまう。

10時からはずっと社長室の隅に置かれた秘書用のデスクに私は1人きりで座っていた。あまりにも退屈過ぎて私は時々、空や里美に携帯でメッセージを送ったりした。

ヤッホー!只今、美奈はバイトちぅ~…。

てな感じだ。空は頑張れと返してくれたけど里美は1日でクビになるとか言って私を馬鹿にした。
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