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第9章 バイトじゃない気がする

でも今の私は未来の為に優誠の不機嫌を怖がっていても仕方がないから

『なら私も社員食堂で食べるよ。優誠と同じだとバイトじゃない気がするんだもん。』

私がそう言ったら私の予想通り優誠は

『それはダメだ。』

と言った。今度は私が

なんで？

となる番だ。優誠は

『俺が１人で食いたくないんだよ。仕事の都合で昼飯すらまともに食えないのに普通に食える日くらいお前と一瞬に食いたいからな。』

と言った。

うーん…、秋元さんは優誠が快適にお仕事が出来るようにするのが私の仕事だと言っていた。ならここは私は優誠に従うのが今の私のお仕事なのかしら？

私はまたぼんやりと考えてしまう。優誠はソファーで私を抱っこしたまま

『バイトは後２週間だけだろ？その間くらいは俺の言う事を聞けよ。』

と言って私の頬にキスをして来る。確かに優誠の言う通り私は後２週間で学校が始まってしまう。学校が始まったら私は優誠と今までみたいな生活は出来ない。

『わかった。』

今回は私が折れる事にした。優誠はよしよしと私の頭を撫でてご機嫌だった。完璧主義のこだわり男が適当主義の私の彼氏。私は彼の為にどこまでやっていけるのだろうとか考えていた。

その日は夕方の少し早めに夕食を食べてから優誠が私を家に送ってくれた。優誠は私の身体をずっと心配をしていた。

家に帰ると私に来客が来ていた。

『パパ！？』

来客と言うよりママの離婚した夫…、つまり私のパパが私を家で待っていた。

『おかえり。今日はもう帰って来ないのかと思っていたよ。』

パパは私を抱っこしてから優誠みたいによしよしと頭を撫でてくれる。私のパパは少しのんびり屋さんなパパだ。

『どうしたの？急に…、てか携帯を鳴らしてくれたら良かったのに？』

『うん、ママがね。最近の美奈が心配だって言うから来てみたんだ。』

パパは相変わらずのんびり屋さんだった。パパは普通のサラリーマン。真面目だけが取り柄で私にはとても優しいパパだ。

『心配する事とかないよ？』

私はいつものようにそんなパパに言った。

今の私にはパパの気持ちとかをまだ深く考えるとかわかっていない私だった。