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この香りで……。
第15章 女の勘
自宅の玄関を開ける。夫の信也はもう寝室にいた。落ち着くのか夫婦のダブルのベッドの壁際で寝息が聞こえる。
「あれ……?」
――誰か来たのかしら……。
奈々葉はそう感じた。理由はないが……。
――もしかして、誰かと不倫とか……。
「信也さん……」
「ん……ああ、お帰り……御飯チンしてね……」と、言うと信也は奈々葉に背を向けて、また寝息が聞こえ始める。
――ないか……それは……多分……。
「うん……ありがと……」
ふっ、と里井のカサついた唇がよぎる。腹の奥がキュンとなり、すぐ消える。
――自分を棚に上げて……。
自分の頭をポンと張った。奈々葉が軽く握った拳で……。
「あれ……?」
――誰か来たのかしら……。
奈々葉はそう感じた。理由はないが……。
――もしかして、誰かと不倫とか……。
「信也さん……」
「ん……ああ、お帰り……御飯チンしてね……」と、言うと信也は奈々葉に背を向けて、また寝息が聞こえ始める。
――ないか……それは……多分……。
「うん……ありがと……」
ふっ、と里井のカサついた唇がよぎる。腹の奥がキュンとなり、すぐ消える。
――自分を棚に上げて……。
自分の頭をポンと張った。奈々葉が軽く握った拳で……。